ハリル解任は吉か凶か 西野ジャパンが盛り上がらない赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年06月07日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

政権交代の流れを把握していたのでは

 なぜ本田は「ハリル降ろし」に絡んでいた、という疑惑の目を向けられているのか。5月14日にNHKでオンエアされた本田のドキュメンタリー形式の特集番組が、その疑惑を深める要因につながっている。

 番組の中で本田は「ハリルのやるサッカーにすべてを服従して選ばれていく、そのことのほうがボクは恥ずかしいと思っているので」などと発言。ハリルホジッチ前監督の目指すスタイルを否定し、暗に批判したことでネット上でも次々にブーイングが上がり、方々で炎上した。

 しかも「番組の収録はハリル解任を発表した4月9日よりも、もっと前から行われていた」という情報も飛び交っている。このことから本田も、NHKの取材班も政権交代の流れを把握していたのではないかとの疑念が生じている。事情通は次のように言う。

 「ハリルホジッチ氏は監督就任以来、日本代表の世代交代を図って試行錯誤を重ねながらも将来を嘱望される若手を抜てきしながらW杯ロシア大会を目指してきた。しかし、いまひとつ国際試合で内容が伴わず、しかもネームバリューの高い本田、香川、岡崎のいわゆる“ビッグ3”をW杯本番に向けて排除しようとしていたため、W杯ロシア大会の注目度低下と日本代表人気の下落を恐れたスポンサーや広告代理店側から『ハリルでは困る』という“圧力”がかけられるようになっていた。

 日本サッカー協会側の上層部も大事な金脈を失うわけにはいかず、加えて何かと頑固者でコントロールしにくいハリルホジッチを切るにはこのタイミングしかないと踏んだ。この流れを本田も関係者から知らされていたと指摘する声は協会周辺でも多い」

 真相はどうあれ、このような疑惑が今の日本代表に渦巻いているのは残念ながら事実だ。だから西野監督の選考したW杯最終登録メンバー23人に本田らベテランが、まるで申し合わせたかのように復帰を果たしたことで「ロートルジャパン」などとバッシングの嵐が一斉に沸き起こっているのである。

 何せ、そのハリル解任から本田らの復帰によってW杯開幕時点での平均年齢が28.26歳と、W杯日本代表としては過去最高齢に達しているのだから無理もない。

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