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中途採用で「選考辞退」多発、音信不通やドタキャンも どうすれば防げる?売り手市場の弊害か

» 2018年07月25日 17時43分 公開
[ITmedia]

 直近1年以内の中途採用において、50%の人事担当者が「選考を辞退されることが増えた」と感じている――人材会社エン・ジャパンの調査でこんな実態が分かった。

 選考辞退のタイミングは「面接前日・当日のドタキャン」が58%でトップ。以下、「内定を出した後」(56%)、「書類選考と面接の間」(54%)、「面接で選考中」(50%)の順に多かった。

 “ドタキャン”されたケースでは「連絡はなく、すっぽかされた」が最多の73%。「メールで連絡があった」は54%、「電話で連絡があった」は36%だった。

photo 中途採用で選考辞退が多発している(写真提供:Getty Images)

辞退理由のトップは「他社の内定を獲得した」がトップ

 内定の辞退理由は「他社の選考を通過した・内定を獲得した」が74%で最多。「希望する給与・待遇ではなかった」(21%)、「希望する仕事内容や条件ではなかった」(16%)、「現職に引き留められた」(14%)、「家族に反対された」(13%)と続いた。「理由を聞いていない」(32%)も多かった。

 人事担当者からは、「最終選考をドタキャンされた。前日案内をしているので、せめて辞退連絡がほしい。求職者が圧倒的優位な状況だ」「面接者に給与などを調整できる決裁権を持たせないと、良い人材が確保できない」――などと悩む声が挙がった。

photo 選考辞退の主な理由(=エン・ジャパン調べ)

辞退防止策は「早めの連絡」「面接候補日の複数提示」「丁寧なお礼メール」

 こうした選考辞退を防ぐために、企業はどんな対策を講じているのか。調査によると、トップは「書類選考後、通過者への連絡を早くする」(81%)。「面接日程を複数送り、選択できるようにする」(60%)、「応募者に、今後の選考の流れやお礼をメールで送る」(55%)と続いた。

 「内定者と既存社員の懇親会を行う」(6%)、「面接の当日朝に、候補者に連絡する」(3%)、「SNSなどのネット上で内定者とのコミュニティーを作る」(1%)といった意見もあった。

photo 選考辞退を防ぐための対策(=エン・ジャパン調べ)

 成果として、「応募が来た翌日から面談候補日を提示するようにしたら、辞退が減った」「最終面接後に会社見学を行い、入社前面談を実施することで、内定辞退はほぼゼロになった」――などが挙がった。

 「内定者が、現職の激しい引き留めにあい、転職を迷っているとの連絡をエージェントから受けた。そこで、どれほど内定者に期待をしているか、当社でどんなキャリアが築けるかを丁寧に説明した結果、無事に入社してくれた」というケースもあった。

photo 人事担当者の悩みと、改善策の成果(=エン・ジャパン調べ)

 調査は5月28日〜6月26日にかけて、エン・ジャパンが運営する人事向け情報サイト「人事のミカタ」を利用する企業629社を対象にネット上で実施した。

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