「従来はIT産業そのものの振興が主目的になっていましたが、ISCOは沖縄の産業全体の支援であり、そのためのプラットフォームという位置付けです」と、所管部門である沖縄県 商工労働部 情報産業振興課の谷合誠課長は話す。
これまでの政策は、データセンターの建設や海底ケーブルの整備など、IT産業に閉じたものになっていたが、今後は産業の壁を超えた横断的な取り組みであることから、県庁内でも他部署との連携強化を進めているところだという。
沖縄県庁
今やあらゆる産業においてITは当然のように使われていて、活用の仕方によっては大きな経済効果を生んでいる。例えば、農業分野では、畑にセンサーを取り付けて、そこから気温や湿度、降水量、日照時間などさまざまなデータを収集。それを作物の生育に生かして、効率的かつ生産性の高い農業を実践している企業がある。観光分野でも、IoT(モノのインターネット)技術を活用した観光客の行動データの収集、分析などが頻繁に叫ばれている。
こうした取り組みをISCOが「司令塔」になって推進し、さまざまな産業とITを掛け合わせることで、沖縄をデジタル社会に進化させていくと、ISCOの中島洋理事長は意気込む。
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