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あなたも他人事ではない 「ひとり情シス」が意味すること“いま”が分かるビジネス塾(3/3 ページ)

» 2018年09月13日 06時30分 公開
[加谷珪一ITmedia]
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AIの導入によって組織のあり方そのものが変化

 今後10年の間に、日本企業における仕事の進め方は激変する可能性が高い。その理由は、全員が顔を合わせて「あうん」の呼吸で仕事を進めていく昭和型のビジネススタイルでは、AI(人工知能)をベースにした、これからのビジネスに対応できないからである。

 今後は仕事のパーソナル化が進むとともに、ルーティン業務へのAI導入が進むだろう。そうなると、クリエイティブで付加価値の高い仕事は人間が行い、そうでない仕事はシステムが行うという切り分けが必要となってくる。

 クリエイティブで付加価値の高い仕事をする社員は、高いITスキルを持っていることが当然視されるので、そもそも情報システム部門を便利屋扱いすることはない。すると、情報システム部門はルーティン業務の管理だけに集中すればよいが、こうした業務は100%アウトソーシングが可能である。

 システムをデザインする時は外部リソースを集中投入して開発を行い、定常業務に入れば遠隔での管理に移行する。

 このスタイルを究極的に進めれば、組織のあり方も変わってくることになる。情報システム部門は、どうしても必要なルーティン業務を担当するレイヤーとなり、収益に直接関係する部門は、プロジェクト単位で臨機応変にチームが構成される。

 こうした新しい時代においては、情報システム部門にエクセルの操作を教えてもらうような非クリエイティブなビジネスマンが生き残る余地はなくなっているはずだ。

加谷珪一(かや けいいち/経済評論家)

 仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。

 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。

 著書に「AI時代に生き残る企業、淘汰される企業」(宝島社)、「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)、「億万長者の情報整理術」(朝日新聞出版)などがある。


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