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» 2018年09月18日 08時45分 公開

本格適用始まり「トラブル続出」:“雇い止め訴訟”相次ぐ「無期転換の2018年問題」 企業はどう対応するか (5/5)

[高仲幸雄,ITmedia]
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就業規則の改定 必要書類などは?

III:契約不更新(雇い止め)の規制についての理解と対応

11.労働契約法19条や「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平成15年厚生労働省告示357号)を確認したか?

 雇い止めの効力が否定される場合(労働契約法19条)だけでなく、手続面としても雇い止めの予告や、雇い止めの理由明示の仕組みなどを確認しておく必要がある。

12.雇い止めの理由と根拠規定を確認したか?

 就業規則や労働契約書(労働条件通知書)にある不更新の事由や手続きを確認する。

13.雇い止めの理由が有期契約労働者の問題行為である場合、その問題行為の存在・理由が争われた場合に備えて証拠を準備したか?

 問題行為がある場合は、注意書や業務改善指導書を出しておき、後から事実関係が争われた場合に備えてあらかじめ証拠化しておく。

14雇い止めの理由が更新上限によるものである場合、更新上限の設定時期や規定内容を確認したか?

15.雇い止めの予告は行ったか?雇い止めの通知書や理由書は準備したか?

 前掲「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を参照。


IV:就業規則の改訂

16.現状の有期契約労働者用の就業規則で改訂すべき点はないか?

 更新に関する規定(更新基準/更新時の上限年齢/更新時の条件変更)をチェックする。

17.無期転換社員の賃金・手当や賞与・退職金を検討したか?

 無期転換前(有期契約労働者)から労働条件をアップする場合には、労働契約法20条の規制(法改正により2020年4月以降は「パートタイム・有期雇用労働法8条」となる)に注意する。

18.無期転換社員の定年や定年退職後の雇用(継続雇用制度)を検討したか?

 有期契約労働者の更新上限や「有期特措法」の再雇用社員の特例を参照/無期転換時に定年を超えている場合の対応も検討すること。

19.無期転換後の労働条件の定期的見直しの根拠規定を設けることを検討したか?

 労働契約法の施行通達で上記規定を設けることを許容している。厚生労働省のひな型を流用すると上記規定が漏れるので注意。

20.正社員や限定正社員の規則で変更すべき点はないか?

 正社員や限定正社員の就業規則が「無期転換社員」に適用されないようにする。

 定義や適用範囲の規定を見直す必要がないか確認する。


V:必要書類・社内説明会の準備

21.無期転換社員用の就業規則はそろっているか? 就業規則変更に関する労働基準監督署への届け出や社内周知を実施したか?

 無期転換社員用の申込書・承諾書、労働条件通知書(労働契約書)も準備する。

22.無期転換社員用の説明会を実施する場合、実施方法を検討したか?

 無期転換対象者に説明会を実施する場合もあれば、支店長や現場人事担当者などに説明会を実施する場合もある。いずれの方法でも、無期転換の申し込み状況は本社(人事部門)で一括して把握する必要がある。

23.(22で説明会を実施することとした場合)無期転換社員用の説明会の資料を作成したか?

 準備する資料の例は以下の通り。

(1)説明会の実施通知(案内)

(2)労働契約法18条および自社ルールの説明資料

(3)無期転換の手続きや転換日・転換後の労働条件などの想定問答集


著者プロフィール

高仲幸雄(たかなか ゆきお)

中山・男澤法律事務所パートナー弁護士 

早稲田大学法学部卒業。2003年弁護士登録。現中山・男澤法律事務所所属。国士舘大学21世紀アジア学部非常勤講師。著者に『改訂版 有期労働契約 締結·更新·雇止めの実務と就業規則』(日本法令)、『異動・出向・組織再編 適正な対応と実務』(労務行政)など著書多数。


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