ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達が一般的なものとなり、インキュベーションプログラムやスタートアップ支援など、日本でも起業しやすい環境が整ってきました。大学在学中に起業する人もいれば、中には「10代の起業家」も現れました。
働き方が多様化する中で、「ポストミレニアル世代」と呼ばれる若者は、「働く」ということをどう捉えているのでしょうか。今回は、17歳の時に株式会社Yokiを起業した東出風馬さんにお話を伺い、その仕事観を探ることにしました。
前編では、現在の働き方や自身の会社で成し遂げたいこと、マネジメント手法などについて語っていただきます。
WORK MILL: 4月から大学に入学されたばかりですが、会社との両立は順調ですか。
東出: 会社自体はリモートワーク中心で、土日に集まる感じなので問題ないんですけど、大学は……ぼちぼちですね。実は、秋からちょっと休学しようと考えているんです。
WORK MILL: やはり、両立は大変なんですね。
東出: 会社の仕事というより、他にも携わっているプロジェクトがあって、物理的に大学へ通うのが難しくなりそうなんです。それと、大学は楽しいこともありますが、コミュニティーに属しているという状態が非常にストレスであったりもするんですね。そもそも、僕自身はあまり大学に行くつもりがなかったんです。
でも、ある方から「せっかく受かったなら、行ったほうがいいよ。慶應出てるか出てないかで、会社につく評価額も違ってきたりする」とアドバイスいただいて、確かにそうだな、と。年間100万円学費がかかっても、必要経費としては妥当だなと考えて、とりあえず大学に行こうと思いました。
WORK MILL: 「他のプロジェクト」というのは?
東出: 会社と並行していくつかのプロジェクトに参加しているのですが、僕の中ではその比率を50:50くらいでやっていきたいなと考えています。例えば、今働き方というものが少しアップデートされれば意外と世の中の問題が解決されるんじゃないかと思っています。皆が小さな小さなプロジェクトを起こして、オーナーにも顧客にもなるような世界を実現したいなと思っています。
それを実践するために、自分でもプロジェクトに参加しています。ひとつは、奄美大島でゲストハウスを立ち上げるのと、もうひとつはインドに学校をつくるプロジェクト。それと、恋愛メディアで文章を書いていた女の子が、「デートプランを作成するサービスをやりたい」と言っていて、それを手伝おうとしていたり。
WORK MILL: ジャンルも規模感もバラバラですね。何か参加する判断基準はあるのですか。
東出: 単純に、「面白そう」とか「意義がある」とかもあるんですけど、Yokiが取り組んでいる事業は長期的なビジョンを掲げているので、すぐに成果が出るわけではないんです。それで、もう少し短期的に成果が出そうな小さなプロジェクトを支援することで、会社経営やマネジメントにつながるノウハウを実践のなかで身に付けられたらいいなと考えています。
WORK MILL: 今、会社はどのくらいのフェーズにあるとお考えですか。
東出: よく「Appleに例えると、iPhone IとiPhone IIの中間だよね」と話してるんですけど、今、僕らがつくっているプロダクトは、目指しているステージの2つ、3つくらい後ろの段階からスタートしている感じなので、それこそビジョンを実現するには何十年もかかると考えています。
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