神田神保町界隈のカレー店と関係を築いていく中で、中村氏は「神田カレーグランプリ」というイベントの存在を知る。11年から始まったこのイベントは、来場者の投票によって神田界隈のカレー店の中からナンバー1の店を選出するもの。興味を持った中村氏は15年12月、「神田カレーグランプリ」の実行委員会を訪ねた。
実行委員会を訪ねたのは、カレー店を紹介してもらうためだった。だが実行委員会は、中村氏がカレー専用スプーン開発のために情報収集していることを知ると、中村氏に対し「カレー好きの人たちから話を聞いたほうがいい」とアドバイス。中村氏もアドバイスを受け、「神田カレーグランプリ」で実施しているスタンプラリーで全店制覇したカレーマニアに話を聞くことにした。
16年1月、中村氏はカレーマニアの集まりに参加し、200人近く集まったカレーマニアにヒアリングする機会を得た。
カレーマニアをヒアリングして分かったことは、スプーンについては「気にしていない」こと。悩みや気になっていることを尋ねても、返答に困る様子だった。
だが、そんな様子は最初だけ。尋ねたことがきっかけで、無意識に感じていたスプーンに対するストレスが徐々に浮き彫りになってきた。
ストレスに感じていたことで多かったのが、最後まできれいに食べたいのにできないこと。「皿に残ったご飯を一粒残らず食べたいのに、なかなかできない」といった声が聞かれた。また、「具材が大きくて切りづらい」といった指摘も受けた。
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