仮想通貨とブロックチェーン(分散型取引台帳)は、投機的な価格変動や取引所のハッキングなどの悪いニュースが目立つが、一方で事業のあり方を大きく変える可能性を持っている。事業の資金調達手段への活用だ。
2017年に大流行したICO(Initial Coin Offering、仮想通貨の新規公開)は、銀行借り入れやエンジェル投資家に頼らずとも、膨大な初期資金を集められる可能性があることを世に知らしめた。一方で、ICO詐欺の横行とともに、どのような規制をするのが適切か世界的なコンセンサスはなく、各国で試行錯誤が続いている。
そんな中、資金調達手段として、借り入れ契約を電子化してブロックチェーンに記録するという仕組みを作り出した企業がある。日本人がエストニアで創業したblockhiveだ(国内法人のblockhive、現xIDとは別法人)。法規制が不透明なICOに代わり、ブロックチェーン技術を応用して、貸し付け契約という従来からある手段を革新したものだ。
blockhiveの創業者である日下光氏は、早くからブロックチェーンを使ったシステムの開発に携わり、電子国家として有名なエストニアでブロックチェーン技術の政府アドバイザーも務めている。日下氏に、ブロックチェーン技術を使った資金調達の現状と課題について話を聞いた。
ICOとは、IPO(Initial Public Offering:新規株式公開)になぞらえて作られた言葉で、株式の代わりに仮想通貨などのコインを発行することで資金を調達する手法のことを指す。事業計画や資金の使い道を提示し、賛同した投資家から資金を調達し、対価としてコインを発行する仕組みだ。
「ICOは法定通貨の代わりに仮想通貨を使って、世界中の企業に投資ができる仕組みだ」(日下氏)
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