投資する人としない人で、資産に「年3.5%」の差がつくのはなぜか?渋谷豊の投資の教室(4/6 ページ)

» 2018年11月29日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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サイトウ: なんで長期だと上がっていくんですか?

渋谷: ピケティというフランスの経済学者が、経済成長と資産の増加を比べると、資産の増加のほうが大きいという研究結果を出しています。資産の増加は、年率4〜5%ですが、経済成長は年率1.5%くらいですかね。つまり経済の成長よりも、投資による資産の成長の方が3.5%くらい大きいという歴史的背景があるんです。

  資産を持っている人が投資をすると、資産が資産を生み出すことでお金が増えていきます。一方で投資にお金を回せない人たちというのは経済成長と同じくらいでしか給料は増えていきません。最初は年間3.5%というちょっとの差だったものが、時間の経過とともにどんどん差が広がっていくんです。

 経済成長は資本投資に比べると資金効率が低くなりがちで、一方で投資の場合、お金を持っている人がさらにお金を借りて株や不動産を買ったり事業に投資したりすることで、加速度的に増えていくケースがあります。これは投資のほうがよりリスクを多く取っているということが背景なのですが、だからこそ資産の方が増えやすいという構造があるんです。

サイトウ: 投資の場合、増えた分をまた投資に回すことで、増え方が加速しますものね。複利効果というものでしょうか。投資することで増える資産の増加は4〜5%ということでしたが、これは株の増え方だと思っていいのでしょうか?

渋谷: 株価の年平均の上昇率は7%〜8.6%という算出結果がありますが、いずれにしても歴史的には7%以上のペースで日本の株は上がっています。一方で、最近の経済成長はざっくり1〜2%ですよね。

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