厚生労働省はこのほど、労働基準関係法違反の疑いで送検された企業のリストを更新した。10月までの分として57社を追加した一方、厚労省が「掲載の必要性がなくなった」と判断した企業を削除したため、掲載企業は452社となった。
過労死ゼロを目指す取り組みの一環で、2017年5月にWebサイト上に初公開。公表から1年がたったため現在は削除されているが、当初は電通本社やパナソニックなどの大企業が名を連ねる“ブラック企業リスト”として話題を呼んだ。
今回の更新では、準大手ゼネコンの三井住友建設(東京都中央区)が追加された。同社は、(1)工事現場における危険防止措置の実施例、(2)現場巡視の実施状況、(3)安全性教育の進捗(しんちょく)状況――などを記した「統括管理状況等報告書」を労働基準監督署に提出する義務があったにもかかわらず、期日までに提出しなかった。
『日本経済新聞』の報道によると、提出しなかったのは今年1月、4月の2回。同社では今年3月、大阪府枚方市の新名阪高速道路の建設現場で足場が崩れ、下請け会社に勤める30代男性作業員が落下し、死亡する事故も起きていた。
大手鉄鋼メーカー・神戸製鋼所の加古川製鉄所(兵庫県加古川市)もリスト入りした。同所は高さ45メートルのボイラー内で労働者を作業させる際、墜落防止措置を講じていなかった。
このほか、労働者に掘削作業を行わせた際、地山の崩壊を防ぐ措置を講じていなかった建設会社・本田建設工業(愛媛県松山市)、無資格の技能実習生に最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転させたキノコ栽培業者・キノテック(長野県上田市)、労働者5人に対し、最長15カ月分の定期賃金計159万円を支払わなかった伝統工芸品製作会社・江渕鏡台店(徳島市)――などがリストに追加された。
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