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同性愛公表のパナソニック取締役ベイツ氏「LGBTへの差別は日本経済の損失」若者のロールモデルになりたい(3/5 ページ)

» 2018年12月23日 07時00分 公開
[猪瀬聖ITmedia]

自分らしくいることでロールモデルに

――ベイツさんご自身のことについてお聞かせください。

 私自身は、中国で知り合ったパートナーと31年間一緒に暮らしています。08年に米カリフォルニア州で同性婚が認められたときに同州で結婚式を挙げました。現在は、もうすぐ8歳になる息子と5歳の娘がいます。子育ては結構なエネルギーを使うので、毎日ヘトヘトです(笑)。

 カミングアウトしたのはGEで働いていたときです。パートナーのために健康保険のことについて会社に相談したのがきっかけでした。パナソニックでは、自分からゲイであることを積極的に言いふらすことはありませんが、いつも一緒に仕事をしている人たちは私がゲイであることはみな知っています。誰かから聞かれれば、パートナーのことも、子どもたちのことも話しますし、隠していることは何一つありません。

 私はゲイとして日本の若者たちのロールモデルになりたいと常々思っています。数年前、ゲイであることを友人にばらされた大学生が自殺するという非常に痛ましい事件が日本でありました。この事件を知ったとき、ロールモデルの存在が必要だと改めて思いました。

 LGBTの人たちの中には同じような悩みを抱えている人がたくさんいます。悩んでいるとき、前向きに生きるゲイのロールモデルを見れば、気持ちが楽になるかもしれませんし、カミングアウトを迷っている人もカミングアウトしようと考えるかもしれません。

 ロールモデルといっても何か特別なことをするわけではなく、いつも自然体で自分らしくいることが、結果的によいロールモデルになると考えています。自分らしく振る舞うことで、他のLGBTの人たちを勇気付けられればいいなと思います。

phot

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