南青山の反対派住民や松嶋さんを叩いている方たちからすると、彼らの考え方は、かなり差別的で利己的で、世間の一般常識からかけ離れていると思っているが、それは実は大きな「勘違い」なのだ。
彼らくらいの勢いで、虐待を受けた子どもや、問題行動を起こす子どもを生活圏から排除しようとする大人は日本中に山ほどいる。
誤解を恐れずに言うと、今回たまたまワイドショーで注目を集めたがゆえ、南青山の反対派住民や松嶋さんは「危険な思想」とみなされているが、ちょっと視野を広げると、日本全国で石を投げれば当たるくらい「平凡な思想」の持ち主ということなのだ。
例えば、今から2年前、大阪市で児童相談所の建設が断念されている。理由は、松嶋さんが漏らしたのと同様、「虐待を受けた子や非行少年らが過ごす一時保護所の併設などに住民から不安の声があがった」(朝日新聞 2016年12月20日)からだ。
それまで大阪市は児童虐待の相談件数が多いにもかかわらず、児相が1カ所しかなかった。もはや待ったなしの状況で、市が選んだのが以前は高齢者施設として使われていたスペースだった。
ここは42階のタワーマンション内にある、超高層3階と低層棟の1〜4階。地権者と市が共同で開発したことで、高齢者の社会参加を支援する施設が入居していたが、事業仕分けで閉鎖されてから長く空スペースとなっていたのである。
タワーマンションにお住まいの方は分かると思うが、低層階に区などの公共施設が入るパターンは珍しくない。それと同じく、このタワマンにも「子どもを救う施設」を開設しようというのは、それほど突飛な話ではない。
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