2018年に乗った「特急列車」
18年に大きな話題となった小田急電鉄の新型車両「ロマンスカー70000系(GSE)」は素晴らしい車両だ。従来のロマンスカーでは、先頭末尾の展望車と中間車の「眺望格差」が気になったけれども、GSEではかなり解消されている。スマートフォンを持ち込んで車内のWi-Fiに接続すれば、前後の運転台から見える景色を映し出せる。窓が大きいところも良い。下り列車の左通路側の席からも、右の車窓の丹沢山系の尾根が見える。GSEは報道公開で説明を受け、試乗会で体験したけれども、後日、新宿〜小田原間の営業列車に乗ってそれを実感した。中間車通路側でも楽しいロマンスカーだ。
JR東日本が中央本線に投入したE353系電車も快適だ。曲線区間の車体傾斜機構がスムーズで、先代のE351系で感じたガタつきが少ない。あとは茅野〜岡谷間の単線が複線化されたら、もっと所要時間が短くなる。
スーパーあずさ E353系
羽越本線の特急「いなほ」は常磐線の特急電車をリフォームしている。このうちグリーン席が2-1列シートになっている。JR西日本、JR四国、JR九州にも2-1列シートのグリーン席があるけれど、JR東日本では珍しい。また、3列にしただけではなく、前後席の間にパーティションを設けて落ち着いた空間にしている。今後の標準になってほしいと思う。
羽越本線の特急「いなほ」
ゆったりしたグリーン座席
寝台特急「サンライズ瀬戸」に乗ったときは、岡山で下りて山陽新幹線に乗り継いだ。東京に遅くまで滞在し、広島、山口で朝から活動するためにはちょうどいいタイミング。この乗り継ぎだと鹿児島中央にも午前10時前に着く。白い「かもめ」の長崎行きは新鳥栖から乗車するスーツ姿の人が多く、山陽新幹線からの乗り継ぎは博多ではなく新鳥栖なのだなと実感。九州新幹線西九州ルートについて考えさせられた。
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