長野、内海――。功労者2人を“引き算”した、巨人・原監督の大誤算赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2019年01月10日 11時11分 公開
[臼北信行ITmedia]

 まさかの結末になった。

 巨人にFA移籍した丸佳浩外野手の人的補償として広島東洋カープが長野久義外野手の獲得を決めた。巨人で9年間プレーした34歳の生え抜きベテランは間違いなくチームの主力で功労者。プロテクトリストから外れ、あっさりと他球団に移籍することになり、ジャイアンツファンを大きく失望させている。

 長野だけではない。やはり昨年末も西武ライオンズが巨人にFA移籍した炭谷銀仁朗捕手の人的保障として、生え抜き左腕のベテラン・内海哲也投手を獲得。ジャイアンツ一筋で一時代を築き上げた投打の主力選手が相次ぐ形でプロテクト漏れし、結果として今オフの巨大補強によってつまはじきにされてしまった現実にチーム内でも困惑の声が広がっている。

 長野も内海も選手会長経験者で他の選手たちからの信頼も厚く、チーム内の精神的支柱だった。プレー以外でも貢献度は計り知れないものがあるだけに、両者の離脱によってチーム全体の士気を大きく低下させる危険性も否定できない。

長野と内海の離脱によって、チーム全体の士気が低下するかもしれない(写真提供:ゲッティイメージズ)

 長野は34歳で年俸2億2000万円、一方の内海も36歳で年俸1億円(いずれも金額は推定)。過去に巨人はFA移籍の人的補償でプロテクトから外した若手有望選手を相手の対象球団から指名され、何度か泣きをみた苦い経験がある。その反省を踏まえて今回は若手のプロテクトを極力優先し、多くのベテランたちをリストから除外。

 それに加えて「さすがに高年俸のベテラン選手は指名しないだろう」という甘い読みが、精神的支柱2人を一気に失ってしまうことへとつながった。2人の移籍決定後に巨人幹部たちが意気消沈しながら報道陣にコメントしていた姿をみれば、それは一目瞭然だろう。

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