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» 2019年01月12日 06時00分 公開

内田恭子の「日常で触れたプロフェッショナル」:ネオ・デジタルネイティブ世代との付き合い方 (2/4)

[内田恭子,ITmedia]

いつも相撲名鑑を片手に

 ところで、幼児期にどれだけモバイル機器を触れさせるかということには賛否両論ある。

 長時間の使用は子どもの脳の成長に影響を及ぼすという研究もある一方で、今の時代、全くそれとは無縁に育児をするというのも難しい。うるさくしては周りの方に迷惑がかかるような場では私もタブレットのお世話になるし、うちの子の友だちには小さいころから自分専用のタブレットを持っている子たちもいる。

 どっちが良いとか悪いとか一概には言えないし、ただそれぞれの家庭のルールとして受け入れるしかない。わが家は私がそういったものに疎いのもあるけれど、家でゲームしたり、動画をじっと見ていたりするくらいなら、「男の子なら外に出て遊べ! 物語だったら本の中にある!」という考え方なので、基本普段の生活の中ではあまりモバイル機器は登場しない。でも長距離の移動中やレストランでご飯が出てくるまでの間はOKとしている。あとは友だちと遊ぶときに、その子が持っていたらそれはもう仕方がない。

 そんな環境で育てられたせいかどうかは分からないけれど、わが家のボーイズはそれぞれ好きな世界がとてもディープに育っている。

 まず8歳のボク(SNSでもずっとこう呼んでいるのでここでもそうします)は、小さいころから大相撲一筋だ。きっかけは2歳くらいのときに連れて行った本場所。最初はちょんまげをつけた太った人たちがぶつかり合うのが単純に面白かったみたいだけど、それ以来、大相撲の魅力にどんどんハマっていき、今ではちょっとした相撲博士なのだ。

 力士のまわしの色までほとんど覚えていて、場所に行って顔がよく見えず「あれは誰?」と聞くと即答してくれる。升席で「嘉風がんばれー!」なんて大声を出しても、周りの大人たちがとてもにこやかに見てくれるのはありがたい。もっと小さいときは公園でお友だちが「なんとか仮面ー!」とヒーローのまねをしているとき、ボクは「白鵬だー!」と大声を上げながら応戦していた。彼にとって横綱こそがヒーローだったのだ。

 常に相撲名鑑を片手に外出し、夏祭りの子ども相撲では誰よりも張り切る。将来力士になりたいという割にはひょろひょろ体型のボクは、それでも同じ年の体格のいい子を、何とかという技を使って倒してしまう。相撲の場所が始まると、とにかくその日の取り組みの結果が分からないと不機嫌になるし、翌朝は新聞で相撲欄をチェックしながら朝食をとるというおっさんぶり。

 そういえば、作家の内館牧子さんも幼いときから相撲が好きで、それですっかり漢字に詳しくなり、小学生になると神童と呼ばれていたとエッセイで書いていらしたが、それはボクにはちっとも当てはまらないのだけが残念でならない。

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