これまでの作業手順を参考に、実際にカスタマージャーニーマップを作成してみましょう。事前に収集している情報に加え、実際に自身が感じたプロセス上のポイントがあれば、そこをあらためて詳しく情報収集するなどしても構いません。
ポイントとして、顧客の心理状況を考える際には、ポジティブなものとネガティブなものがあるということを意識し、特にネガティブな要素を見逃さないことが重要です。なぜなら、ネガティブな要素の部分に「次の段階に進むかどうか」の判断を左右するトリガーが存在することが多いからです。
例えば、「Webサイトが分かりづらい」と感じていることが分かれば、Webサイトの設計を改善する必要があります。また、「店員の説明が雑」と感じているのであれば、接客を改善する必要があると考えられます。このように、自分都合で顧客のポジティブな要素ばかりに着目するのではなく、不満や不便といったネガティブな要素を逃さず拾っていくことが重要です。
今回は競合企業としてユニクロとAmazonのみピックアップしていますが、特定エリア密着型の競合や、フリマアプリなどをピックアップすることも可能です。ペルソナを設定する際に抽出した顧客が、普段どのような競合と情報を比較しているかをチェックし、適切な調査対象を導き出します。
カスタマージャーニーマップは、マップを作成し、実施する施策を設計したらそこで終了ではありません。実際に施策を実施して得られた定量的なデータや定性的な情報を反映し、さらなる分析、適切な施策のブラッシュアップを行い、よりよい成果を得られるよう改善活動を続けていきます。
今回はテキスト中心にカスタマージャーニーマップを作成する様子を紹介しましたが、イラストやアイコンを使用したり、スマートフォンの画面や店舗の写真など、より現場の様子が分かる情報を付加することも可能です。ぜひ効果的なカスタマージャーニーマップの作成方法を探究してみてください。
また、カスタマージャーニーマップに限らず、業種や課題に応じて活用できるフレームワークはたくさんあります。自社に合った方法を探してみてはいかがでしょうか。発行部数5万部を突破した『ビジネスフレームワーク図鑑』(翔泳社)には、「問題や課題を発見するフレーム」「市場を分析するフレーム」「戦略を立案するフレーム」など、70点ものフレームワークを掲載していますので、参考にしてみてください。
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