熱狂の流通業界 生き残りのヒントを探る
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» 2019年01月15日 10時57分 公開

“奇抜さ”の追求だけではない:これは本当に恵方巻? 変わり種が続々登場しているワケ (1/3)

恵方巻商戦が熱を帯びてきた。実は、スタンダードなタイプの恵方巻だけでなく、変わり種の恵方巻を販売するチェーンが増えている。各社に開発の狙いを聞いた。

[昆清徳,ITmedia]

 「近年、恵方巻が多様化していることも踏まえ、商品開発を決断しました」

 ローソンは1月22日から「ポテトチップス 恵方巻味」(税込178円)を2週間限定で販売するが、その背景について商品本部菓子アドバイザーの松林千宏さんはこのように説明した。同社は恵方巻味のポテチだけでなく、イチゴとバナナをホイップクリームと合わせ、ふんわりとしたスポンジ生地で包んだ「節分ロール」(360円)といった“節分スイーツ”も販売する。

 恵方巻商戦が熱を帯びてきている。特に、2月3日は日曜日なので外食や小売りチェーン各社は、例年以上の売り上げを見込んでいる。冒頭のコメントにもあったように、スタンダードなものだけでなく、遊び心を持たせたりこれまでにない具材を使う“変わり種”の恵方巻が続々登場してきている。

 お客は単なるおいしさだけでなく、楽しさや驚きを恵方巻に求める傾向が強まっているようである。そこで、変わり種の恵方巻を販売する各社に、その狙いを尋ねた。

photo くら寿司の「なんだこれは!?巻」

くら寿司の「まるごといわし巻」

 くら寿司では、恵方巻の販売を03年から関西で、07年からは関東でそれぞれ開始している。広報担当者によると、関西では恵方巻を家庭で食べる習慣が根づいていたため、節分の時期になると店舗の売り上げが減少する傾向にあった。売り上げを確保するとともに、お客のニーズに対応するため、店舗での販売を決めたという。

 くら寿司では、太巻きを節分当日に1本1本手作りすることに決めたが、当初はオペレーションに落とし込むのに苦労したという。そのため、発売当初はスタンダードな「上福巻」と「えびマヨ巻」の2種類からスタートした。年を重ねるごとに各店舗でのオペレーションが確立してきたため、メニュー数を増やせるようになり、19年には7品を販売できるまでになった。

 恵方巻の種類が増えたのにはもう1つ理由がある。大手回転すしチェーンは、スイーツやラーメンといったサイドメニューを強化している。多様なお客のニーズに対応するため、くら寿司では14年からは変わり種の恵方巻として「豪華かに太巻」と「とんかつ太巻」を発売することになった。

変わり種の開発を加速

 この2品がお客から好評だったため、15年には「まるごといわし巻」を投入した。これは、北海道・釧路産の大羽(大きいサイズ)の真イワシを丸ごと一本塩焼きにして、大葉や梅肉と一緒に手巻きにしたものだ。広報担当者によると、もともと節分には恵方巻や豆まきのほかに、魔よけのためにイワシを食べたりイワシの頭を玄関に飾るといった文化があった。そこで、インパクトがあり、節分にちなんだ面白く楽しめる商品を提供しようという意図から、同商品を開発したという。このまるごといわし巻はその後も恵方巻商品の定番となった。

 まるごといわし巻以降も、くら寿司では、豆大福を丸ごと2つ巻いた「まめ巻」や、えび天2本とえびマヨを裏巻き(ノリが内側にあり、酢飯を外側に巻く調理法)にした「赤鬼巻」などを次々と投入。19年は子ども向けにエビマヨちくわを巻いた「なんだこれは!?巻」を販売する。広報担当者は「恵方巻の販売数は右肩上がりで増えています。変わり種の恵方巻を販売するのは、おいしいだけでなく、お客さまに驚き楽しんで食事をしていただきたいためです」と説明した。

photo くら寿司の「まるごといわし巻」
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