「新法施行」後も民泊オーナーの6割以上が「近隣トラブル」に不安根強い「騒音問題」

» 2019年01月22日 17時00分 公開
[今野大一ITmedia]

 民泊オーナーの6割以上が「騒音問題などの近隣とのトラブル」に不安を感じている――。楽天コミュニケーションズが民泊オーナー325人を対象に実施した「第二回 民泊運営に関する意識調査」でこんな実態が浮き彫りになった。「民泊を運営していく上で不安に感じること、現在の懸案事項、これまでにあったトラブル」を聞いたところ、「騒音問題などの近隣とのトラブル」が最も多い回答(63.7%)だった。

 調査は、2018年6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されてから半年が経過した18年12月下旬にインターネットで実施。民泊新法施行前の18年5月に行った前回の調査では「民泊運営で不安に感じること」を聞いた際、4割以上が同様の回答だった。新法施行後も「騒音問題などの近隣とのトラブル」が、民泊運営における主要課題となっていることが分かる。

phot 「騒音問題などの近隣とのトラブル」が63.7%だった(プレスリリースより)

 2番目に多かった「部屋の清掃」は、前回の調査から28.7ポイント増加して63.4%となっている。外国人観光客などが使用した後に民泊施設が「ゴミ屋敷」の状態になり、オーナーとの間でトラブルとなった事件なども報道されているが、清掃業務についてはさまざまな問題が浮上している現状が垣間見える。

phot 前回の調査でも4割以上が「騒音問題など近所とのトラブル」を挙げていた(プレスリリースより)

 また、「現在の民泊運営における売上拡大、収益力向上のための方策、工夫」を聞いたところ、「多言語対応」(55.1%)、次いで「コールセンター」(53.8%)、「無人受付、カギの受け渡し」(51.7%)との結果が出た。多くの民泊オーナーが、訪日外国人観光客の民泊利用を促すカギを「多言語対応」だと考えているようだ。

phot 「多言語対応」が55.1%だった(プレスリリースより)

「出張などのビジネス利用」も拡大

 民泊を利用する宿泊者の「外国人観光客の利用」と「出張などのビジネス利用」の割合は、どちらも「41%〜60%」が最も多かった。民泊が観光目的だけでなく、ビジネス目的でも同程度利用されている現状がうかがえる。

phot 「外国人観光客の利用」の割合(プレスリリースより)
phot 「出張などのビジネス利用」の割合(プレスリリースより)

 また、民泊運営ですでにIT化をしている業務を聞いたところ、「チェックイン・チェックアウト」(57.5%)、「予約管理」(56.3%)、「宿泊者名簿やパスポートの控えなど個人情報の管理」(52.9%)とそれぞれ過半数だった。

phot プレスリリースより

 一方、約7割が、今後も民泊運営の業務効率化を目的としたIT活用を「増やす」と回答しており(「大幅に増やす」33.2%と「増やす」34.2%を合算)、積極的にIT化を進める予定のオーナーが多いようだ。

phot プレスリリースより

 今後も運営物件数を増やすのかを聞いたところ、6割以上が「増やす」と回答しており(「大幅に増やす」33.8%と「増やす」31.1%を合算)、今後の民泊事業の拡大も見込まれる。

phot 6割以上が運営物件数を増やすと回答(プレスリリースより)

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