横審の“白鵬口撃”はいかがなものか 国際問題を招く可能性赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2019年01月29日 11時57分 公開
[臼北信行ITmedia]

ケガをした力士はいつ休めばいいのか

 今回の定例会合で横審がこれまで以上の厳しいトーンで、白鵬と鶴竜を非難したニュースはモンゴル国内にもネットなどを通じて徐々に伝わっている。今後の流れ次第では強硬論に拍車がかかっていき、それこそ国際問題に発展してしまう危険性もゼロとは言い切れない。これは、それだけデリケートな問題なのだ。

 初場所で優勝したのは、モンゴル人力士の関脇・玉鷲である。ベテラン力士が初Vを成し遂げ、母国のモンゴル国内も盛り上がっているはずなのに、横審の白鵬及び鶴竜批判は何か水を差すような行為としか思えない。

 前出の関係者は、さらにこうも指摘する。

 「途中休場したモンゴル人横綱を糾弾して揚げ足をとっているヒマがあったら、その要因となっている現状の日程改革を断行すべきだ。とにかく力士のスケジュールは今、過密日程で埋め尽くされている。ケガ人が増えるのは自明の理。思い切って地方巡業の数を減らさないと、このままではいずれ本当に番付が組めなくなってしまう。

 こんなハードなスケジュールの中で、ケガをした力士は一体いつ休めばいいのか。満足なリハビリ期間もとれず、中途半端なままで土俵に立たざるを得なくなるから、ケガを悪化させるのだ。こうした改革案を横審の面々は、横綱の休場続出をタテに協会幹部へ強く進言しなければいけないはず。残念ながら、今の横審のぬるま湯体質では、そんなことには目もくれていないだろうが……」

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