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なぜファミマの社会貢献は「24時間テレビ」のように見えるのかスピン経済の歩き方(5/6 ページ)

» 2019年02月19日 08時10分 公開
[窪田順生ITmedia]

「24時間テレビ」のように見える

 ご存じのように、この番組によって毎年、莫大な募金が集まる。それらの支援は、病気や障害で苦労されている方たちに届けているので、そういう意味では間違いなく「社会貢献」だ。

 が、毎年一部の人たちからボコボコに叩かれる。チャリティーとか言ってるのに、有名タレントに高額ギャラが支払われている。障害者や病気の人に歌やダンスを訓練させて見世物にしている、「感動ポルノだ」うんぬんという批判もよく寄せられている。

 「愛は地球は救うは結構だけど、感動コンテンツで視聴率をとるという商売のためでもあるんでしょ」

 そんな風に感じている視聴者が一定数いるのだ。彼らの目には、「難病」「障害者」などの社会問題を用いて、日本テレビが目指す「視聴率」という目標達成をしている――。つまり、どんなに日テレ側に立派な志や善意があったとしても、世の中的には「社会貢献」という看板を掲げて、ゴリゴリに商売しているネガイメージも着々と広まっているのだ。

 では、企業の社会貢献が「24時間テレビ」のように見えないようにするにはどうすべきか。

 社会貢献が叩かれない企業というのは、「こども食堂」や「24時間テレビ」のように、社会問題があって、そこに自社の「利益」をどう絡ませるかという立て付けになっていない。まず、自社のサービスや強みからスタートする。それを用いて、社会活動を解決する。叩かれる企業の社会貢献と考え方が180度真逆なのだ。

 例えば、営利事業と慈善活動を一体化した「公益資本主義」の旗振り役であるセールスフォース・ドットコムが分かりやすい。

 同社はご存じのように、マーケティング担当者向けの顧客情報管理(CRM)ソフトの世界大手。ということは、世界の貧困や社会問題を解決するために、財団でも立ち上げてドカンと寄付をしているのかと思う方もいるかもしれないが、違う。

 セールスフォース・ドットコムでは自分たちのソフトを無料、もしくは割引価格で、世界の2万8000以上のNPOに提供しているのだ。自社サービスによって、NPOをバックアップすることで社会貢献をしているのだ。

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