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どのようにすれば“いい人”を採用できるのか ポイントは4つ急募をなくす(4/7 ページ)

» 2019年02月21日 07時55分 公開
[倉貫義人ITmedia]

いい人材を見極めるための採用のTIPS

 オランダにアヤックスという古豪のサッカーチームがあるのですが、そこは若手選手からの育成が素晴らしく、特に優秀な若者を集めてくるスカウティングが優れているそうです。そのアヤックスで優れた選手を選抜する際に見ているのがTIPSと呼ばれているものです。TIPSとは、次の4つの頭文字をあわせたものです。

  • Technique(テクニック)
  • Intelligence(インテリジェンス)
  • Personality(パーソナリティ)
  • Speed(スピード)

 私たちの会社で働くのはサッカー選手ではなくエンジニアですが、このTIPSは優れたエンジニアを見極めるのにも使えます。

「T=テクニック」

 アヤックスでは、トリッキーなプレイができるとか難しい技ができることをテクニックとは呼んでおらず、基礎的なボールタッチの上手さや、ドリブルやシュートといった基本的な技術のことを指してテクニックといっています。そういった基本技術がきちんとできている選手を選抜しているそうです。

 優れたエンジニアに求められるテクニックも、「いろいろなプログラム言語を使いこなせる」とか「最新の技術要素に詳しい」といったことよりも、「誰が見ても読みやすいソースコードが書ける」ことや「安定して運用するための基礎知識を持っている」といった基本技術を重視しています。

 私たちの会社では、採用プロセスの中で実際の開発を行ってもらい、その結果を見ることで技術力の判断をしています。その判断をするのは現役のエンジニアたちで、自分たちの仲間に足る技術を有しているかどうか見極めます。

「I=インテリジェンス」

 サッカーにおけるインテリジェンスは、監督の戦術を理解できること、そして試合の流れを読み、実戦の中で戦術に沿った動きを自分の頭で考えられることを指します。確かに、サッカーの場合、野球と違って、試合中は逐一監督の指示を受けるわけにはいかないので、自分で考えられる能力が重要になってくるのでしょう。

 自己組織化されたチームは、まさしくサッカーチームのように、現場で起きたことは現場で判断して進めなければなりません。すべて指示を受けて確認しないと動けない人では困ります。個々人で判断するためには、会社の戦略や戦術を理解できるだけのインテリジェンスが求められます。

 私たちの会社では、面談の中で私たち自身のビジネスモデルを分析してもらいます。ユニークなビジネスモデルを採用していることもあり、それを理解できるのか、戦略上どういった意味があるのかを考えてもらうのです。ついでに、これから入社するかもしれない会社のビジネスモデルを理解してもらうことにもなるので、一石二鳥です。

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