ストロー廃止はもう古い 昔ながらの「牛乳配達」モデルが注目されているスタバもマックも(3/5 ページ)

» 2019年02月22日 07時43分 公開
[藤井薫ITmedia]

「使い捨て文化」を見直すことに

 中国がプラスチックゴミの輸入を禁止したことで、最近ではインドネシア、ベトナム、マレーシアなど、より貧しい国がゴミの受け入れ先になる現象が起きている。だが増え続けるプラスチックゴミを埋め立てて処分するにしても、いずれ限界が来ることになるだろう。

 こうした状況に、プラスチック製品に対する風当たりが強くなるのは当然だと言える。そんな背景から、深刻な対応を迫られているのが、家庭向け商品を取り扱う大手グローバルブランドだ。

 利便性やコスト削減のため、パッケージにプラスチック製品を多く使用してきた大手企業だが、ついに「使い捨て文化」の見直しに踏み切ることになりそうだ。そして彼らの動きが、プラスチックゴミの対策を根本的に変える可能性があるとして期待されている。

 いま注目されている新しい試みが、米国発のイノベーティブなリサイクル企業「TerraCycle」が主導し、名だたる大手企業を巻き込んで19年春から試験的に世界展開する「LOOP(ループ)」だ。

19年春から試験的に世界展開する「LOOP(ループ)」

 「ループ」が提案するのは、容器を再利用することで、使い捨てパッケージから脱却する新しい購買システムだ。イメージとしては、昔ながらの牛乳配達のビジネスモデルを現代風にスタイリッシュにアレンジした感じ、と言えばいいだろうか。

 大手企業のネスレ、ユニリーバ、P&G、ペプシコなどを含む25社とタッグを組み、各ブランドの人気商品を再利用可能なオリジナルパッケージで販売する。また、使用済みの容器を回収し、洗浄して再利用する循環型のシステムを実現させる。

 顧客は、オンラインや提携ストアで商品を購入し、使い終えた容器は自宅まで回収してくれるようにリクエストをするか、提携ストアへ持ち込む。配送時には段ボールではなく、繰り返し使えるオリジナルデザインのバッグを使用し、新たなゴミが出ないように配慮する。

 ネスレやユニリーバなど大手企業は、25年までに商品パッケージを100%再生利用可能なものにする目標を掲げているが、彼らにとって、「ループ」はまさに理想的なシステムとなる。

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