#SHIFT

ビジネスセンスを身につけるには、何をすればいいのか「期待」を理解(3/3 ページ)

» 2019年02月27日 11時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!
前のページへ 1|2|3       

ビジネスセンスの第一歩

 センスとは何かを考えるとき、避けては通れないのがコミュニケーションスキルだ。

 結局、孤高のアーティストでもない限り、誰も一人で仕事をすることはできない。仕事はコミュニケーションで成り立つ。そして、ビジネスセンスのありなしの評価も相対的なものであり、個人の主観で言われるものだ。そうなると、相手を心地よくし「にこやかに」仕事を終える必要があるわけだ。

 ビジネスセンスに近い言葉で、「あいつ、分かっている」的な言葉がある。何も言わなくてもやるべきことをやってくれる、仕事にそつがない、でしゃばらず立場をわきまえている、というときによく使われる言葉だが、コミュニケーション力を表しているといってもいいだろう。

 スティーブン・R・コヴィー(「7つの習慣」著者)のコミュニケーションの原則の中に、「コミュニケーションのトラブル、ギャップというのは、原則的にその人に対する期待とその結果のギャップによる」というものがあるが、ビジネスとは、基本的に「期待」に対する「解決」以下でも以上でもない。

 「期待」と「解決」のクオリティが一致、あるいは「解決」のほうが大きければビジネスは成功するし、逆の場合は、次はない。期待の中には、もちろん「プロセス」「コスト」「人格」「信頼性」も含まれる。

 コミュニケーションが難しいのは、「期待」は人によって異なるし、時間とともに常に変化するし、環境と状況によって判断は変わるということだ。つまり、毎回、「期待」を正しく理解しなければならない。

 また、相手の期待も対象者によって異なるから、自分に対する期待も理解しておかなければならない。役員がもつ期待は、部長に対する期待と係長に対する期待は違うのだ。

 そういう意味では、固定観念にとらわれてもいけないが、日ごろから自分のビジネスポリシーやビジネスにおける価値観を整理し、表明しておくことも必要かもしれない。

 ビジネスセンスの第一歩は、自分の立場を認識したうえで、「期待」を理解することなのだろうか。(猪口 真)

 →フォローして猪口 真氏の新着記事を受け取る

前のページへ 1|2|3       

Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.