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ドワンゴ新社長・夏野剛が明かす“N高のミライ” 小中学生向けプログラミング塾「Nepps」の狙いとは日本の教育に欠けているもの(2/4 ページ)

» 2019年03月02日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

灘や筑駒とともに「国際情報五輪」出場

 さらに夏野氏は、プログラミング言語にも最近では変化が訪れていて、教育への有用性が高まっていると訴える。

 「これまでのプログラミング言語はコマンドを覚えることを重視しているものが多く、そのためプログラミングは理系的なものと位置付けられてきました。かつてはプログラミングコンテストでも、ソースコードの美しさや無駄のなさを評価していましたが、最近はデバイスの能力向上に伴い、何が目的でソフトを作ったのかというほうが大事になってきています。コンピュータに作業をやらせるときは論理的思考能力が大変重要になってきていて、アプリの開発に取り組む際の問題意識や課題発見能力と合わせて、子ども達を教育する上でプログラミングはとても有益なものになってきています」

 「Nepps」のプロジェクトリーダーを務める中根祐氏も、会見で、「プログラミング教育に実績のあるN高の最新の機材や教材がそのまま使えるので、興味関心のある生徒さんはどんどん学んでいって欲しい」と腕を鳴らす。

 このような自信を見せるN高のプログラミング教育は、一体どのようなものなのだろうか。前出の夏野氏はこう目を光らせる。

 「N高設立の背景にはドワンゴを中心にカドカワグループが作ったという経緯があります。特にプログラミングコースでは、ドワンゴの新入社員、エンジニアと同じプログラムを高校3年間で学べるように設計されています。これを全部修了するとドワンゴに来てエンジニアとして働ける、そういう実践的なプログラミングのカリキュラムが非常に好評です」

 設立からまだ3年もたってないにもかかわらず、その実績を急速に伸ばしてきている。2018年9月に茨城県つくば市で開かれた、高校生のプログラミング技術を競う世界大会「国際情報オリンピック」では、4人の日本代表の1人としてN高の生徒が出場し、銅メダルを獲得した。他の代表の高校が灘や筑波大学附属駒場といった日本屈指の進学校の名前が並ぶ中、通信制高校の名前が混ざることは極めて異例のことだ。

phot N高の実績

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