土肥: 山根さんは現在22歳で、現役の大学生。いまは休学中だそうですが、なぜ「添い寝ができるサービス」を始めようと思ったのでしょうか?
山根: 僕は高校を卒業して、島根から上京しました。大学2年生のときに、子ども向けのWebサービスを立ち上げました。事業は順調に成長していったのですが、少し疲れを感じるようになったんですよね。お客さんの数をもっと増やして、売り上げをもっと増やして、といったことに疲弊してしまって。
子どもが大好きだから始めたサービスなのに、規模拡大を追い求めることに疲れてしまった。わずか1年で逃げ出す形になったのですが、次に何をしようかと考えました。自分で言うのもヘンな話かもしれませんが、子どものころからずっと勉強ばかりしていて、大きくなってしまいました。これまでの自分では創造できないことをやりたいなあと思って、歌舞伎町(新宿区)にあるホストクラブで働くことに。
土肥: えっ、子ども向けの仕事をしていたのに、夜の世界に? 真逆のような感じですね。
山根: 週6日、働いていました。初めての接客業だったので、そこでの学びはたくさんありました。ある日、いつも通り働いていたところ、お客さんがひとりで泣いていたんですよね。「ひとりで泣いているって、どういうことかな?」と疑問を感じていたのですが、泣いているのはその女性だけではありませんでした。ほかにも、ひとりで泣いているお客さんがたくさんいたんです。
そうした人たちを見ていて、自分にできることは何か、何かを届けることはできないかと考えました。そんなことを考えていたところ、ひとりで泣かなくてもいいように「味方になれる存在」になれるのではないかと思い付き、2018年にクラウドファンディングを使うことに。目標金額を達成したので、その年の10月にプレサービスを始めました。
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