土肥: クラウドファンディングで資金調達ができたわけですが、この事業を始めるにあたって周囲からはどのような声がありましたか?
山根: SNSで「こんなサービスを始めますよ〜」などと書いたところ、「ヤバいでしょ」といったコメントがたくさんありました。いや、同じようなコメントはいまでもあります。あとは、“引かれた”ことがショックでした。「添い寝」という言葉を使ったからかもしれませんが、それまで親しくしていた人たちに距離を置かれたんですよね。
ただ、いま振り返ってみると、キツイことを言われて、距離を置かれたことは、仕方がなかったかもしれません。子ども向けのWebサービスを手掛けていて、次にホストクラブで働く。そして、「月額制の添い寝サービス」を始めたわけですから。「そんな奴とは関わりたくない」と思うのが普通ですよね。
土肥: ふむ。男女によって、反応に違いはありましたか?
山根: 「添い寝サービス」と聞くと、女性は怒るかもしれない。いや、そもそも相手にされないかもしれない。発表前はそのような不安を感じていたのですが、実際は違っていました。受け入れていただいたのは、男性よりも女性のほうが多かったんですよ。「気持ち悪い」「ヤバいでしょ」といった反応ではなくて、「なにそれ? いいね」などと言ってくれました。
土肥: 18年10月にプレオープンして、19年2月に本格的にスタートしました。実際に運営してみて、どのような反響がありましたか?
山根: 5カ月ほどの間に、40人ほどから「自分もキャストをやりたい」という声がありました。
土肥: お客さんが「話を聞いてもらいたい」「添い寝をしてもらいたい」と思っていても、キャストがいなければいけませんよね。理想を言えば、その人にとって「話をしたいなあ」「会いたいなあ」と感じられる人がたくさんいるほうがいい。しかし、公式サイトを見ると、キャストに登録しているのは6人しかいませんよね。
山根: 話を聞ける人であれば、誰でもいいというわけにはいきません。その人に魅力があったり、その人から元気をもらえたり。応募していただいた人たちと面談をして、何か特徴をもっている人にキャストをお願いしています。例えば、紅茶に詳しい人がいて、その人から紅茶関連の話を聞くことができるとか、お父さんキャラの人がいて、その人と接していると本当のお父さんのように感じることができるとか。
ただ、ご指摘のとおり、キャストの数はもっと増やしていかなければいけません。幸いなことに「キャストになりたい」という人がいるので、そうした人たちと面談を重ねていくことで、さまざまな特徴をもったキャストを増やすことができればなあと。
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