Appleが積極的な株主還元を行っている姿はバランスシート(BS)にも表れます。BSは資産、負債、純資産の3つのパートから構成されます。資産が左側、負債と純資産が右側に来ます。
注目したいのが右下の純資産。この純資産は過去の利益の保管庫です。過去の利益は純資産の利益剰余金という科目に蓄積されていきます。株主還元とは、過去の利益を株主に放出することに他なりません。つまり、積極的な株主還元を実施する企業は純資産の伸びが鈍くなります。また、利益以上の額を株主に還元していれば純資産は減少します。Appleの純資産の推移を見てみましょう。
会社の成長と共に純資産はグングン伸びてきたことが分かります。2000年当時40億ドルしかなかった純資産は、配当を出す直前の2011年には1182億ドルにもなっています。10兆円を超える途方もない利益をAppleが稼いできたということです。Mac、iPod、そしてiPhoneで得た累積利益がAppleの1000億ドルを超える純資産に表れています。
その大きな純資産も、2013年をピークに横ばいになっていますね。前述した通り、2013年以降Appleの総還元性向は100%前後あり、つまり稼いだ利益の全額を株主に還元しており、結果として純資産は横ばいになっています。
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