Appleの純資産は7年前から減少? 投資家目線なら分かるその理由【全文公開】Appleの財務を分析する(2/7 ページ)

» 2019年03月13日 13時28分 公開
[hiroITmedia]

Apple急成長の軌跡

 「カリスマ経営者スティーブ・ジョブズの魂が宿ったイノベーティブ企業」「ハイブランドで高価なiPhoneの販売で成長を続ける企業」。Appleにはこんなイメージをお持ちかもしれません。確かにAppleは今やニューヨーク市場で時価総額トップ争いをする企業です。

 しかし、現在のAppleはもはや成長企業ではありません。膨大な株主還元を行う成熟産業に変貌しています。株式投資家の目線でいえば、グロース株ではなくバリュー株です。今世紀のApple成長の軌跡、そして現在のAppleの資本政策を数字で見ていきましょう。

 1976年に、スティーブ・ジョブズらが自宅のガレージで創業したのがAppleの起源です。1984年にMacintoshを発売。今では考えられない大きな箱型のPCでした。Appleの収入のほぼすべてはMacintosh、Powerbook、iMacといったMacシリーズでした。2000年当時の売上高80億ドルのうち90%近くをMacが占めていました。

 そんなAppleに転機が訪れたのが2001年です。音楽プレーヤーiPodを発表しました。iPodは大ヒットし、2004年にiPod miniを発売して以降、iPodの収入はMacに肩を並べるまでになりました。ここが1つのブレークスルーです。Mac+iPodというダブルエンジンを得たことで、Appleの売上高は2001年から2007年にかけて約4倍に成長しました。

Appleの製品別売上高推移(2000年〜2007年)(単位:百万ドル、ソース:Apple年次報告書)

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