また、Appleは配当だけでなく自社株買いも大量に実施しています。自社株買いとは過去に発行した自社株(つまりApple株)を、Apple自身が市場で買い取ることをいいます。こうすることでApple株の市場流通量が減少し、既存株主の取り分が増えます。自社株買いをすると株価が上昇することが多く、株主はキャピタルゲインの恩恵を得ることができます。
配当よりも自社株買いの方がはるかに規模が大きいですね。では、この総株主還元(配当と自社株買いの合計)はどれくらいの規模なのでしょうか。それを把握するためには利益と比較する必要があります。
つまり、純利益のうちいくらを株主還元に回しているのか、ということです。純利益に占める総還元額の割合(総還元÷純利益)のことを総還元性向といいます。総還元性向が50%なら、100の純利益のうち半分50を株主に返還していることを意味します。
初めて配当を出したFY12こそ低い数字ですが、FY13以降は90%〜150%もあります。総還元性向が100%を超えるということは、純利益以上のお金を株主に還元していることを意味します。
無から有は生まれないので、そんなことは理論的には不可能なのですが、負債で調達した資金で自社株買いすることで可能となります。その是非はここでは置いておくとして、とにかくAppleがいかに多額の株主還元を実施しているかがわかると思います。
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