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「ピースサインで勤怠打刻」 Joshinが全事業所に導入した顔認証が“従業員から絶賛”のワケ

» 2026年07月15日 07時00分 公開
[小松恋ITmedia]

 「更衣室で着替える前後のわずかな時間に、打刻をスムーズに済ませたい」「忙しい店舗のバックヤードで、IDやパスワードを忘れて焦りたくない」──。

 こうした従業員の負担を減らすべく、家電量販店を展開するJoshinは全事業所の従業員向けに、顔認証クラウドサービス「Bio-IDiom Services」と顔認証端末「UBio-N Face Pro」を組み合わせた勤怠管理システムを導入した。パスワード管理の負担軽減や勤怠運用の効率化を図ることで、従業員満足度を向上させる狙いだ。

「ピースサインで勤怠打刻」。ジェスチャー認識を活用した顔認証の様子(以下プレスリリースより)

非接触打刻で「現場の負荷」を軽減 顔認証に決めた理由は?

 Joshinはこれまで、PCからWebタイムレコーダーを起動し、IDとパスワードを入力して勤怠を打刻していた。しかし、パスワード忘れに伴う運用部門への問い合わせや打刻の遅延が発生したほか、一部の従業員にとって操作負荷が課題となっていたという。

 店舗や各事業所では共用PCを利用しており、感染症対策など衛生面への懸念もあった。店舗や修理・配送部門では、制服への更衣が必要なため、更衣前後のタイミングでリアルタイムに勤怠を打刻できる環境整備も求められていたという。

 こうした課題を受け、生体認証方式による勤怠打刻システムの導入を検討した。複数の認証方式を比較した結果、顔認証は身体的なコンディションの影響を受けにくく、顔写真を登録するだけで利用できる手軽さがあった。運用のしやすさも評価したという。

 打刻時の顔画像を記録できるため、事後の本人確認にも活用しやすい。非接触で利用できることや顔表面温度の測定にも対応していることから、衛生面への配慮や感染症への対策ができることも導入の決め手となった。 

 導入したUBio-N Face Proは、NECの顔認証技術を搭載した端末で、マスク着用時でも高精度に認証するという。印刷した写真や動画によるなりすましを防ぐ機能を備え、暗所でも利用可能なLED照明やIP55相当(強い雨やホコリに耐えられるレベル)の防塵(じん)・防滴仕様により、さまざまな現場環境に対応する。

 非接触勤怠打刻オプションと、ピースサインなどのジェスチャー認識により、端末に触れることなく手の動きだけで「出勤」「退勤」の打刻ができるようにした。

ジェスチャー認識の流れ

 システムはクラウド上で構築し、各店舗で取得した打刻ログや認証データをBio-IDiom Servicesに集約する。APIを介して既存の勤怠管理システムと連携し、セキュアな運用を実現した。

 プロジェクト全体のマネジメントはソフトバンクが担う。NECが提供する顔認証システムと、他社の勤怠システムを連携するための設計・構築・運用を支援しているという。多拠点での均質な運用環境を整備し、現場負荷の軽減と店舗運営の効率化につなげた。

 更衣室付近に端末を設置したことで、更衣前後にスムーズな勤怠打刻が可能となったという。従業員からは「従来の認証から移行したことで、煩わしいパスワード管理から解放された」「顔認証のため、PC操作と比較して打刻にかかる時間が短縮された」など絶賛の声が寄せられた。

 NECは「システムの導入により、従業員の管理負荷や問い合わせ対応の削減に加え、勤怠打刻の遅延抑制にもつながった」としている。

 人手不足が深刻化する小売業界において、1回数秒の打刻に伴う管理負担や、パスワード紛失時の対応といった「目に見えにくい間接コスト」の削減は、店舗の収益性を左右する隠れた要素となりつつある。従業員のストレスを取り除く環境整備が、中長期的な人材獲得や定着率にどのような差異を生み出すか。

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