東京の鉄道路線に欠けているものは、何か「タテ」が足りない(3/4 ページ)

» 2019年03月14日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

路面電車やモノレール、新交通システムも検討しては

 地下が困難なら、モノレールはどうか。地上の高いところでも大丈夫で、急勾配・急曲線にも対応可能である。多摩モノレールは、急勾配・急曲線にも上手に対処し、地域の足となっている。

 また、路面電車優先の道路を設け、そこに路面電車を走らせるという考え方もある。広島市の中心部のように、路面電車を何よりも優先させ、正確なダイヤを実現させるという方法もある。ただし、路面電車を走らせるには、東京の「タテ」の道路は貧弱である。

 環八通りや環七通りはまだいい。道幅が広いから。もっとも、それでも混雑している。問題は、多摩エリアでの「タテ」の道路網である。「ヨコ」の道路網は道幅が広く、幹線道路であるのに対して、「タテ」の道路は、2車線でバスが通るのがギリギリのところが多い。

 東京都では道路整備の事業を進めているものの、そこに鉄道を合わせて考えるという構想があってもいいのではないか。「タテ」の道路網を整備する際に、そこにモノレールや新交通システム、路面電車を整備し、鉄道網を充実させる構想も求められている。

 新交通システムとして成功した例として、2008年に開業した日暮里・舎人ライナーが挙げられる。公共交通網の貧弱なこのエリアで多くの乗客を集め、成功した。現在では混雑緩和が課題となっている。

実際に東京の「タテ」の交通を担っているのはバスだ。このバスはおよそ5分に1本間隔

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