米国発のオンライン学習に、145カ国以上の女性が学んでいる秘密火曜インタビュー劇場(海外公演)(2/4 ページ)

» 2019年03月26日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

女性活躍のきっかけに

土肥: 女性向けにオンライン学習のサービスを始めたところ、予想以上に生徒が集まっているそうですね。当初は300人ほど受講してくれればいいなあと思っていたそうですが、実際には3カ月で1万9951人が登録しました。しかも、145カ国以上の人が学んでいることに驚きました。そもそもどういったきっかけで、このようなサービスを始めたのでしょうか? (通訳してもらう)

イオナ: ワタシは大学で日本語を少し勉強したことと、楽天でも働いたことがあるので、ゆっくり話していただければ理解できます。

土肥: おお、そうでしたか。では、ゆっくりしゃべりますね。

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イオナ: なぜ、オンライン学習のサービスを始めたのか。国連は2015年9月、「2030年までに貧困に終止符を打ち、持続可能な未来を追求しよう」ということで、17の目標「SDGs(エス・ディージーズ)」を掲げました。目標の5つ目は「ジェンダー平等を実現しよう」なのですが、数字を見るとまだまだ。上級・中間管理職に占める女性の割合を見ても、平均で3分の1にも達していません。

 日本は少子高齢化が進んでいるので、労働力不足に悩まされていますよね。そうした問題を抱えているのにもかかわらず、女性の社会進出は十分とは言えません。ただ、こうした傾向は日本だけではなく、海外でも同じ。例えば、インドの場合、女性がもっと社会に進出すれば、GDPの年間成長率が5〜6.5%上昇するのではないか、といった指摘があるんです。インドはとても大きい国なので、女性の社会進出が加速して、毎年のように成長率が上昇していけば、世界経済にものすごい影響を与えることになるでしょう。

 インドだけではなく、日本だけでもなく、多くの国で女性の社会進出は十分とは言えません。女性が活躍すれば貧困問題がよくなるのにもかかわらず、なかなか前に進みません。こうした問題を解決するためにさまざまなアプローチがあるかと思うのですが、ワタシたちは教育に目をつけました。サービスを始める前にリサーチしたところ、「IT企業で働きたいのに、知識がないので就職することができない」「エンジニアとして転職したいけれど、そもそもプログラミングをどのように勉強したらいいのか分からない」といった声が多かったんですよね。

 こうした声が多いなかで、ワタシたちができることは何かを考えました。結果、女性がネット上でプログラミングを学べるようなサービスを提供すればいいのではないかという話になりました。こうした背景があって、18年7月から3カ月間、ネット上で学習プログラムを放送しました。

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