いつまで続く? 通勤ラッシュへの挑戦、歴史は長いかつての混雑率は300%超(3/4 ページ)

» 2019年04月12日 07時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

これからも通勤ラッシュ対策に力を入れる

 その後も国鉄やJR東日本の輸送力増強は続く。東北・上越新幹線の上野開業の後に、通勤新線として埼京線が運行開始され、また貨物線を旅客化して京葉線も運行されるようになった。

 私鉄も輸送力増強に取り組んだ。東武鉄道は74年に伊勢崎線北千住〜竹ノ塚間を複々線化、営団地下鉄(現在の東京メトロ)日比谷線直通列車の乗り入れを増強させた。複々線区間は88年に草加まで、97年に越谷まで、01年に北越谷まで完成し、私鉄最長の複々線区間となった。

 この複々線がのちに大きな役割を果たす。東武伊勢崎線は以前、都心向け上り列車は日比谷線乗り入れと浅草駅方面の列車しかなく、北千住での乗り換え客でごった返していた。ほかの駅での乗り換えを促進しようとさまざまな取り組みが行われていた。

 だが、03年に営団地下鉄半蔵門線への直通運転が開始され、半蔵門線の直通列車は原則上位の列車種別として扱われるようになった。これにより、業平橋での長編成列車の終点化などの対応が必要なくなり、狭くてゆとりがない浅草駅への乗り入れの必要性も薄らぎ、東武の通勤輸送は抜本的に改善された。

 また、通勤新線の開業も行われた。05年には秋葉原〜つくば間でつくばエクスプレスが開業し、これにより常磐線のラッシュを緩和することになった。

 鉄道事業者はこれまでも、そしてこれからも通勤ラッシュ対策に力を入れる。

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