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「キャッシュレス大国」中国の実相――“信用経済”の深い影割り勘、お布施、災害義援金の支払いまで(2/4 ページ)

» 2019年04月22日 06時45分 公開
[西村友作ITmedia]

「買う」「食べる」「移動する」「遊ぶ」 全てモバイル決済

 無人コンビニなど「買う」場面、フードデリバリーなど「食べる」場面、シェア自転車など「移動する」場面、無人カラオケなど「遊ぶ」場面のような、生活のさまざまな消費シーンにおいてモバイル決済が使われている。これらだけではなく、公共料金の支払い、先ほど述べたレストランでの割り勘などユーザー同士の送金、ご祝儀やお年玉、宗教施設でのお布施や災害義援金の支払いに至るまで、ありとあらゆる場所でモバイル決済が利用されており、財布を持たずにスマホ一台で生活できる社会が実現している。

 一方、日本でも、この「決済」について大きな変革が起きつつある。中国ではすでに一般的となっているQRコード決済サービスだが、日本でもついに導入が始まり、シェア獲得に向けたキャンペーン合戦が繰り広げられている。2018年12月、ソフトバンクとヤフーの合弁会社が展開する「PayPay」は、店舗側の初期導入費用や決済手数料を無料にする一方で、ユーザーに対しては100億円を投じた大規模なキャッシュバックキャンペーンを行った。当初4カ月を見込んでいたこのキャンペーンは、わずか10日で予算を使い切り終了するなど、その反響は大きかった。その後、ライバルの「LINE Pay」も20%還元を実施した。

 この2サービス以外にも、「楽天Pay」「ORIGAMI Pay」「d払い」「メルペイ」などがすでにQRコード決済などのサービスを始めており、セブンイレブンの「7Pay」や、ゆうちょ銀行の「ゆうちょPay」など、金融機関や小売りといった業種の企業が参入を予定している。

phot 2018年末に大型キャンペーンで話題となった「PayPay」
phot 「LINE Pay」
phot 「ORIGAMI Pay」
phot 「メルペイ」

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