創業1781年! 最古の駄菓子屋を支えるパワフルなおばあちゃんかつては高級「あめ屋」(3/4 ページ)

» 2019年04月27日 07時00分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

英語はお客さんとの会話で修得

 駄菓子屋と言えばメインとなる顧客は子どもであるが、上川口屋も少子化のあおりを受けているという。しかし、それ以上に問題なのはスーパーやコンビニの増加のようだ。

 「スーパーやコンビニでは駄菓子から洋菓子まで、何でも買えちゃう便利な時代じゃないですか。それに、うちはスーパーのように大量に仕入れて安く売るってことができないから、どうしても価格で負けちゃう。『スーパーだともっと安いのに、何でここだと高いの?』なんてハッキリ聞いてくる素直な子もいますよ」と内山さんは笑いながら語った。

 子どものお客は減った一方で、最近ではテレビやインターネットで上川口屋を知った大人や外国人客が増えているという。

 取材中にも都内で駄菓子屋を経営しているという女性客がやって来た。大先輩となる上川口屋には一度訪れてみたかったと嬉しそうにしていた。上川口屋の品数の豊富さには、同業者である女性客も驚いていたようだ。内山さんと駄菓子屋経営について一通り語った後、内山さんと記念写真を撮影し帰っていった。

 何組かの外国人客もお店にやって来た。内山さんは「英語なんて全く話せない」と言いつつも、「イッツ ワンハンドレッドエン(100円)」と英語で上手に接客をしていた。

 どうやって英語の勉強をしたのかと聞くと、「お客さんに教えてもらっている」のだそうだ。外国人旅行客の団体を率いてやって来るガイドさんや外国人の友だちと一緒に来る日本人に英語を教えてもらうことが多いという。そのお客さんとのやり取りも楽しみの一つと教えてくれた。

 「正確な英語じゃないのかもしれないけど、あまり細かいことは気にしてないです。相手に伝わればそれで十分」

photo 開店準備をしながら接客もこなす内山さん

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