クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向
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» 2019年05月13日 06時47分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:マツダの決算 またもや下がった利益率の理由 (2/5)

[池田直渡,ITmedia]

北米と中国での不振

 最初に疑うのはクルマが売れてないということだろう。確認してみる。

19年3月度の決算資料から販売台数状況

 グローバル販売台数は163.1万台から156.1万台で4%(6.9万台)のダウン。確かに売れていない。地域別に見るとどうなのか?

  • 日本 21万台 → 21.5万台の2%(0.4万台)プラス
  • 北米 43.5万台 → 42.1万台の3%(1.4万台)マイナス
  • 欧州 26.9万台 → 27.0万台の0.3%(0.1万台)プラス
  • 中国 32.2万台 → 24.7万台の23%(7.5万台)マイナス
  • その他市場 39.4万台 → 40.9万台の4%(1.4万台)のプラス

 となり、北米と中国という2つの巨大マーケットでの負け越しが大きい。

 問題はそのマイナスの原因だ。一時的な理由なのか、それとも深い構造的原因があるのか? マツダ自身の説明によれば、その理由を「販売費用増、OEM供給減、中国向けノックダウン出荷減」の3つにまとめている。OEM供給減とノックダウン減に関しては、長期的に見れば他社との関係の中でそういう時期もある。

 先日のニューヨークモーターショーでは、北米向けのヤリス(日本名ヴィッツ)がトヨタからデビューしたが、これはマツダのデミオのOEMだ。少なくともトヨタ製の新型ヴィッツがデビューするまでの2年間、デミオが「トヨタ・ヴィッツ」として北米で販売される。これによって自動的に次期決算ではOEM供給はプラスになるはずだし、2年後にはそれがなくなってまたマイナス圧力がかかるだろう。

マツダからデミオのOEM供給を受けて、トヨタがデビューさせた北米ヤリス

 23%と下落幅が最も大きい中国に関していえば、ノックダウンだけの影響とはいえまい。中国市場の減速感は極めて強く、失速はマツダだけではない。ただ、全自動車メーカーが同じなのかといえばそうではなく、同じ条件下でもマツダのダウンはやはり大きい部類に入るだろう。日本でプラスになっているマツダの魅力が中国では訴求できていない。それはおそらく北米も同じだ。

 それをひも解くキーワードが「販売費用」だろう。販売費用にはいろいろあるが、決算書でこの言葉が出てくる場合、それは多くのケースで販売店への販売奨励金(インセンティブ)である。

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