――オンラインサロンというのは、西野さんにとってどういう位置付けなんですか?
僕の全ての活動はオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』から始まっていて、今、サロンメンバーは2万5000人くらいいるんですけど、ほぼ全てそこで収まりがつきます。
僕は『株式会社にしのあきひろ』という恥ずかしい会社をやっているんですけど、正社員は2人なんですよ。でも、エンタメで世界を取るには、社員は2人で十分で、「会社を大きくしよう」という発想が僕にはありません。
例えば、先日、大きめの個展をやったんですが、建築士さんも、照明さんも、音響さんも、音楽製作も、映像製作もオンラインサロンメンバーにギャランティーを支払ってやってもらいました。
サロンメンバーにはアカデミー賞の作家さんもいらっしゃるので、クオリティーは半端ねぇです。
完全外注ではなくて、「意思疎通ができているコミュニティー内の人達」に外注するので、意見のすり合わせが要らないんです。この距離感とスピード感が一番居心地が良いですね。
加えて、例えば、自社で映像チームを持ってしまうと、ウチの会社が映像以外のプロジェクトにタッチしているときに、この映像チームのお給料をずっと払い続けないといけないじゃないですか。
大企業の欠点はココで、活動していない部署に固定費を払い続けているせいで、本当に必要な場所に予算の全力を注げない。
僕の場合は、生きていないお金は、作品制作に全額ブチ込んだ方がいいので、「プロジェクト毎に集合と解散を繰り返して、かつ、そこで集まるメンバーは、すでに意思疎通ができている」という状況が理想なので、2人の会社で、2万5000人のオンラインサロンを運営している今の形が、無駄もなく、スピード感もあって、一番いいですね。
会社とオンラインサロンの組み合わせは、結構な可能性を秘めていると思います。
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