副業の「瓦割り」ビジネスを4カ月で黒字化させて会社を辞めた男の勝算居合抜刀の体験もスタート(2/7 ページ)

» 2019年05月25日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

大企業に14年勤務

 なぜ、瓦割りというユニークな事業を思いついたのだろうか。カワラナを創業した川口さんのこれまでを振り返ってみよう。

 川口さんは横浜生まれの横浜育ち。慶應義塾大学の付属高校からエスカレーター式に大学へ進んだ。「レールに乗った人生」を歩んできたという意識があったという。

 就職活動で思うような結果が出せなかったため、大学を卒業してから半年ほど無職だったことがあるが、ベンチャー企業で勤めた後、人材サービス大手に転職。求人広告の営業マンとして働き、営業部門のマネジャーやスタッフ部門を経験する。

 転機が訪れたのは36歳の誕生日。かつて読んだ『志村流』(著者はタレントの志村けん)という本のことを思い出した。年齢を1日24時間に換算することで、自分の生き方が見えてくるという内容だった。川口さんは「自分は人生の折り返し地点にいるが、このまま会社員を続けても全然楽しくないな。死ぬときになって後悔しそうだ」と思ったという。

自分がやりたいことを模索

 自分の人生を楽しくするにはどうしたらいいのか? 川口さんは会社勤めをしながら社会人サークルを立ち上げたり、読書会を企画したりしており、社外に知り合いがたくさんいた。そこで、SNS上に自分がやりたいことをつぶやくグループをつくった。参加メンバーの投稿を見て、刺激を与えあうのが狙いだった。

 ある日、川口さんは「瓦割りがやりたい」と投稿した。すると、グループのメンバーから、「一緒にやろう」という賛同の声があがった。探してみると、瓦割りの体験ができるお店があることが分かった。友人らと足を運び、実際に瓦を割ってみると想像していた以上に楽しく、達成感があったという。

photo 瓦割りのコツを伝授する川口さん

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