副業の「瓦割り」ビジネスを4カ月で黒字化させて会社を辞めた男の勝算居合抜刀の体験もスタート(5/7 ページ)

» 2019年05月25日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

運営に友人を巻き込む

 現在、カワラナを運営するスタッフは、川口さん、川口さんの父親、アルバイトの3人だ。また、友人たちが時間のあるときに接客や掃除を手伝ってくれている。1回だけ手伝った人を含めても、累計40人近くが運営にかかわっているという。手伝ってくれたお礼として瓦割りのサービス券を渡している。

 川口さんは意識して周囲の人たちを運営に巻き込み、お店のサービス向上に役立てている。例えば、瓦割り体験をイメージしてもらいやすいように、実際に使う瓦を店頭に展示するアイデアは仲間が提案したものだ。知り合いを巻き込めば、口コミで店の存在が知れ渡るメリットもある。

 こういった運営スタイルのヒントは、過去に読んだビジネス書にあったという。今後、イケてるビジネスはスナックのような形態になる。お客より先に店のママが酔いつぶれても、常連が他のお客のためにお酒をつくったり、勘定をしたりしてくれる。サービスを提供する側と、サービスを受ける側の間に明確な線引きをする必要はない、といった内容だ。

複数の収入源を確保

 川口さんは18年8月に会社を退職した。現在はカワラナだけでなく、コワーキングスペースや貸会議室の運営、企業に対する事業支援など複数の事業を手掛ける。

 川口さんは、どのような将来像を描いているのだろうか。

 「瓦割りだけでは食っていけません。ですが、このお店や貸会議室といった『ハコ』を生かし、さまざまな企画を立ち上げたいと考えています。面白い企画とハコを組み合わせて、人を集めて、楽しいことをやっていきたいですね」

 現在、多くのお客が来店してくれているのだが、1度楽しんだら関係性はそこで終わってしまう。それではもったいないので、貸会議室で実施するイベントに遊びに来てくれたお客に瓦割り体験も提供したら面白そうだ――そういった構想を抱いているという。

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