「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

» 2019年05月28日 05時30分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

復活に向けた動き

 ホッコクは90年に株式を店頭市場に公開(現在のジャスダック上場)。収入源の多角化を目指し、ベーカリーカフェなどの新規事業を行うが軌道に乗らず、最終的には2期連続の赤字を計上した上、架空の売り上げを報告した有価証券虚偽記載が判明するなど、経営が混乱。12年に上場を廃止した。

 同年、会社分割により新たに「どさん子」という会社が設立されて、事業が移管された。16年にはアスラポート・ダイニング(現・JFLAホールディングス)の傘下に入り、17年に「とり鉄」他2社と合併してアスラポートに商号を変更。JFLAホールディングスの子会社アスラポートで、外食FC事業の1部門として存続している。

 一方で、どさん子ラーメンは14年に博多一風堂を展開する力の源カンパニーのコンサルティングにより、東京・八重洲地下街にリブランディングされたニューコンセプトの店を出店。どさん子ラーメンの顧客層は高齢化していたため、ラーメンの主要顧客である10代〜30代を狙っている。デザインもスタイリッシュにすっきりとしている。

 赤みそを使った濃厚で男性的な「赤練」、白みそを使ったまろやかで女性的な「白練」、100%北海道産生みそを使った「金練」、元来の味「つたや中華 味噌(元祖)」と、4種類のみそラーメンを今はメインで売っている。

 ニューコンセプト店は12店。昼はどさん子ラーメンで、夜はとり鉄として営業する焼鳥居酒屋とのコラボ店も2店となり、徐々にリブランディングの成果が表れつつある。

 赤練などの商品は、力の源が考案しただけあって創作ラーメンとして洗練されているので、あとは新しくなったどさん子ラーメンをどれだけ大衆的に認知してもらえるか。そして持続可能な店舗経営のために、FCオーナーを長時間労働からどうすれば救い出せるのか。頭の使いどころだ。

photo ニューコンセプトのどさん子ラーメン 八重洲店

【お詫びと訂正:2019年5月29日午後5時30分 初出で、「どさん娘とどさん子大将は既にFC本部がなくなってしまい」と記載いたしましたが、あらためて調査した結果、事実関係が確認できなかったので、該当部分を削除いたしました。お詫びして訂正いたします。】

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