「コメダローソン」が誕生する日は、本当にやって来るのかスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2019年06月18日 08時05分 公開
[窪田順生ITmedia]

 6月12日、「コメダ珈琲店」などを運営するコメダホールディングスが三菱商事と資本・業務提携することを発表した。

 コメダHDが保有する自己株式約9億円分を第三者割り当ての形で三菱商事に売却。これで三菱商事の出資比率は0.95%となる。報道によれば、提携の目的はコメダが進める海外出店で、三菱商事のネットワークを活用していくためだという。

 ただ、筆者がこの提携話を聞いて真っ先に頭に浮かんだのは、そういうグローバルな話ではなく、もっと我々の生活に直結しそうな話である。それは、コメダ珈琲が併設したローソンの新業態「コメダローソン」の誕生だ。

ローソンの新業態「コメダローソン」は誕生するのか(出典:コメダ珈琲)

 三菱商事、コメダ両社の方たちからお叱りを受ける前に断っておくと、これは筆者のイマジネーションの産物であって、そのようなアイデアすら語られたことがないヨタ話である。ただ、ヨタ話ではあるのだが、絶対にあり得ないかというと、そうとも言い難い。

 ご存じのように、三菱商事はローソンの親会社。ローソンといえば、ガソリンスタンド併設の「シェルローソン」、OTC医薬品を扱う「ヘルスケアローソン」「ヘルスケアローソン」、さらには、介護相談窓口を併設した「ケアローソン」など、他業種併設店舗を積極的に進めていることで知られており、そのコラボ先は、三菱商事と資本やら縁のある企業が多い。

 例えば、調剤薬局併設型店舗「ナチュラルローソンクオール薬局」で組んでいる調剤薬局大手のクオールは、ローソンと2008年12月に業務提携を締結しているが、その1年ほど前の07年10月に、三菱商事と資本関係ができている。

 『2007年10月 株式会社エーベルを吸収合併し直営化。吸収合併にともない、株式会社エーベルの親会社であった株式会社メディセオ・パルタックホールディングス(現株式会社メディパルホールディングス)及び三菱商事株式会社が「その他の関係会社」となる』(クオールホールディングス HP 沿革より)

 こういう過去の流れを踏まえれば、今回の三菱商事とコメダの提携も、数年後に振り返ってみると、「コメダローソン」の布石だった、なんてこともなくはないのだ。

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