ビットコインとLibraは何が違うのか?ビジネスパーソンのための入門Libra(1/3 ページ)

» 2019年07月11日 12時30分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 Facebookが6月に発表した「Libra」。世界に27億人ものユーザーを持つ企業が関わる暗号通貨であるだけでなく、VisaやMastercardのような決済事業者、UberやeBayのようなマーケットプレイス事業者など世界的な大企業28社が参加していることから、大きなインパクトを持って迎えられた。

 ホワイトペーパーは公開されているものの、Libraがどういったものなのかを理解するのはなかなか難しい。7月10日に行われたブロックチェーン大学校FLOC主催のセミナーで、ブロックチェーン技術の専門企業コンセンサス・ベイスの志茂博CEOの講演から、ビジネスパーソンが理解しておくべきLibraについてまとめる。

ブロックチェーン大学校FLOC主催のセミナーで、Libraについて語ったコンセンサス・ベイスの志茂博CEO

決済に使われなかったビットコイン

 馴染みの深い暗号通貨といえば、ビットコインがある。Libraはいったいビットコインとどこが違うのだろうか?

Libraの目的を、法定通貨とLibra、ビットコイン、リップルで比較したもの(=FLOC主催志茂氏の講演資料より)

 「ビットコインは決済や支払いに使えるのではないかといわれていたが、どうも最近は価値の保存が中心になってきている。一方、Libraは価値の交換に特化して、支払いなどに使えるようにしようとしている」

 当初、お店での買い物などの決済に使われるのではないかと期待されたビットコインだが、実際にはほとんど使われていない。持っている人は、値上がりを期待して保有しているのが中心だ。

 一方で、Libraは決済用に利用されることを目指している。そのために2つの工夫がされている。「価格の安定」と「サービスを提供する協会メンバー」、これがビットコインとの大きな違いだ。

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