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トラブル対応が“下手”な人がやっていること良いトラブル対応と悪いトラブル対応の違いとは(2/3 ページ)

» 2019年07月18日 10時00分 公開
[白川克ITmedia]

「ほほう、そう来たか」

 僕は10年くらい前からこの作戦を採用している。

 「問題が発生した」「進捗がヤバい」など、ネガティブな報告を受けたときに、何はともあれ、「ほほう」とつぶやくのだ。

 これについては、以前にも書いたことがあり、簡単にいうと、「冷静に対策を考えられるようになれる」ということなのだが、もう1つ、書き忘れたことがある。

 例えば、部下からの“ヤバい報告”を「ほほう」と言いながら聞くと、部下が報告しやすくなるのだ。悪い報告やトラブル発生の報告というのは嫌なものだ。「きっと怒られる」と思うから、報告も遅くなり、そうしている間に傷が広がる。

 それを防止するリーダーの態度は、プロジェクトを成功させる上で極めて重要なことだと思う。

まず解決!

 問題が起きたら「誰がやったんだ」「なぜそうなったんだ」と過去をほじくり始める人が多い。

 だが、まずは目の前のトラブル、プロジェクトにブレーキをかけている課題を何とかすべきだ。今、この瞬間にも血が流れているのだから。

みんなで可視化することで解決に向かえる

 トラブルは、仕事と仕事のはざまで起こることが多い。プロジェクトを停滞させるような厄介な課題も、たいていはチームをまたぐ課題だ。

 だから、それを解決するときには、

  • なるべく関係者みんなで
  • 課題のありようを書き出す

ことから始める。

 十分に情報が集まるだけでも、すぐに解決できることは多い。

 「状況を絵に描けた≒構造化できた」ということになって、解決策がすぐに見つかることも多い。みんなでホワイトボードを見ながら、自分が知っていることを出し合っていると、「自分 vs あいつら」ではなく、「僕ら vs 課題」になっていく。

 そうして「暫定対応→恒久対応」と進めていけばいいし、「そもそもなぜこのトラブルが起きてしまったか」という問いは、恒久対応のときまで寝かしておいても問題ない。

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