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» 2019年07月30日 05時00分 公開

池澤夏樹が「人類の終末」を問い続ける意味池澤夏樹インタビュー【中編】(3/5 ページ)

[服部良祐, 今野大一,ITmedia]

官僚たちの「先回し」「後回し」「放置」

――確かにそう説明されると、リアルに迫ってきますね。 

池澤: (冷戦終結で)全面的な核戦争が起こる可能性はグッと減りましたが、ソ連と米国が抑えていればいい訳では無くなり、核兵器拡散の可能性が出てきました。しかも世界全体は比較的好戦的になっていますよね。ISIL(イスラム国と自称したイスラム過激派組織)みたいなのも出てきた。

 「第三次世界大戦があったら、第四次世界大戦は弓矢の戦争だ」という話もあります。警告をしていて、当たってしまうのが嫌なのです。イラク戦争や(東日本大震災の)原発問題など、「普通に考えてこれはやばい」と思っていたから(僕が)言っていたことが、案外そうなってしまう。

――本来、国や社会の行く末を冷静に予測し警告するのは、官僚やメディアの仕事だとも思います。しかし、例えばビジネスや経済の場合を考えても、現状でそれが果たされているとは言い難いですね。

池澤: 本当は経済学だって長期展望を考えるべきですが、彼らは日銀短観のサイズでしか考えていない。年金問題だって分かり切った話じゃないですか。だいたい、人口が減っていく(未来)は歴然と昔から数字で出ていたでしょう。

 取りあえず「先回し」「後回し」「放置」です。本気でやると、(官僚たちは)自分たちがケガをするかもしれないから。これは冗談の話ですが、江戸時代の言葉で「世の中は さようしからばごもっとも そうでござるか しかと存ぜぬ」というのがあります。官僚たちとは、こういうことなのです。

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