ニュース
» 2019年08月05日 16時37分 公開

導入しない理由「適した業務ない」:テレワーク、中小企業の導入は14% 未導入の5割が「今後も予定なし」

都心の大企業などを中心にテレワークを導入する動きが活発になっているが、中小企業はどうだろうか。エン・ジャパンの調査によると、導入率は14%。2年前と比べると6ポイント上昇した。

[ITmedia]

 東京五輪・パラリンピックを1年後に控え、都心にオフィスを構える大企業や官公庁などを中心に、テレワークを導入する動きが活発だ。しかし、都心への通勤者を減らす効果はまだ小さく、「自分には関係ない」という人も多いだろう。

 エン・ジャパンが8月1日に発表した調査結果によると、従業員数300人未満の中小企業では、テレワークの導入率は14%だった。2年前の2017年と比べると6ポイント上昇。テレワークの普及は進んでいるものの、中小企業を含めた全体への波及にはまだ時間がかかりそうだ。

photo テレワーク導入企業の割合(出典:エン・ジャパン

 テレワークを「導入している」と答えた企業のうち、81%が「在宅勤務」を採用していると回答。施設に依存しない「モバイル型」は31%、シェアオフィスなどの「施設利用型」は13%が採用していた。

 導入の目的(複数回答)は、「業務効率(生産性)の向上」が60%、「多様性のある働き方の実現」が59%と多数を占めた。次いで、「通勤困難社員への対応」(49%)だった。また、導入して良かったこととして、「通勤困難社員が継続して働くことが可能になった」(40%)、「業務効率(生産性)の向上につながった」(36%)、「多様性のある働き方を選ぶ社員が増えた」(30%)が上位に入り、目的に合った効果が得られていることが分かった。

photo テレワークを導入して良かったこと(出典:エン・ジャパン

 導入する際に難しかったこと(複数回答)としては、「テレワーク社員の時間管理」(68%)が最も多かった。「テレワークの利用条件設定(自然災害時、月に4日までなど)」「テレワーク時の業務ルールの設定(始業・終業の連絡・会議出席など)」(ともに59%)も多く、制度やルールの策定に苦労したことがうかがえた。

photo テレワーク導入の上で難しかったこと(出典:エン・ジャパン

 一方、「導入していない」と回答した企業にその理由を問うと(複数回答)、「テレワークに適した業務がない」が半数近くの48%に上った。「企業規模が小さいから」(36%)、「必要性を感じないから」(34%)も挙がった。

photo テレワークを導入していない理由(出典:エン・ジャパン

 テレワークの今後の方針については、導入企業では「今後も積極的に推進する」が80%を占めた。未導入企業では、「今後も導入予定はない」が47%を占め、「これから導入を検討する」という回答は19%にとどまった。

photo テレワークの今後の方針(出典:エン・ジャパン

 回答企業からは「最近は業務可視化ツールが登場している。今まで難しかったテレワーク社員の正確な勤務実態の把握と個人評価が可能になるのでは」と期待する声があった一方、「情報漏えいが心配。従業員のサボりも気になる」「初期投資も必要。成果につながるまでの期間を考えると、割に合わない」と否定的なコメントも寄せられた。

 テレワーク導入によって人材確保や生産性向上などにつながる効果も期待できるが、現実的には、従来の仕事のやり方を変えるリスクを重視する企業も多いようだ。

 今回の調査は、人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」を利用する、従業員数300人未満の企業を対象に実施。6月12日〜7月16日の期間にインターネットによるアンケートを行った。有効回答数は491社。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.