この記事はティネクトのオウンドメディア「Books&Apps」より転載、編集しています。
最近、以下のようなフレーズを、本当によく見かけるようになった。
ネット上のみならず、旧来のメディア上にも、そのような言説が踊る。「前から、そう言う人っていなかった?」という方もいるかもしれない。それは、その通りだ。
人類は常に「昔より、より大きな自由」を獲得してきた。スティーブ・ジョブズ氏は、2006年のスタンフォード大学のスピーチで、こう言った。
アメブロで20万人のフォロワーを抱える、心理カウンセラーの心屋仁之助氏は、「好きなことだけして生きていく」という本を2014年に出している。
Googleが、ヒカキン氏を使ってYouTubeで「好きなことで、生きていく」というプロモーションを打ったのも2014年だ。
この頃までは、「好きなことをしていい」というのは、「従来の枠組みからの開放」を表していた。
そういった「いやし手」の言葉が、「好きなことをしよう」だった。
「ありのーままでー」という『アナと雪の女王』がヒットしたのも、2013年。あなたは、あなたの好きなようにしていい、ありのままでいい、そういう「勇気」を与えることが、「好きを仕事に」といった言説のバックボーンだった。こういった言葉に、救われたと感じた人は多かったのではないだろうか。少なくとも、私はその一人だった。
ところが最近は様子が異なる。
堀江貴文氏は、『好きなことだけで生きていく。』というほぼ同じようなタイトルの本を2017年に出しているが、内容は上の本と大きく異なる。何が異なるのか。それは「好きなことを仕事にしないと、豊かになれない」という警告が発せられていることだ。
本書は、いわば僕からの「最後通告」だと思ってもらいたい。既存のレールに乗って生きていくことは、これからの時代、通用しなくなる。
僕が言う1%の人にならなければ、本当の意味で仕事に没頭することはできなくなる。
『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ社) 堀江貴文氏 著
「いやいや、ホリエモンが煽っているだけでは?」と思う方もいるかもしれないが、そうではない。この傾向が顕著に現れたのは、2016年にロンドン・ビジネススクール教授、リンダ・グラットン氏が「ライフ・シフト」を発表してからだ。ライフ・シフトではまさに、「好きを仕事に」の具体的な中身が述べられている。
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社) リンダ グラットン著長寿という贈り物を手にする世代は、もっと選択肢が多く、もっと多様な人生を送ることができ、もっと多くの選択をする必要がある。
そのため、正しい道を選び取るために時間を費やすことの重要性が高まる。
未来を見据えて、自分の監視と情熱に沿った教育を受けること。
自分の価値観に適合し、やりがいを感じられ、自分のスキルと関心を反映していて、しかも袋小路にはまり込まないような仕事を見つけること。
自分の価値観を尊重してくれ、スキルと知識を伸ばせる環境がある就職先を探すこと。
長く一緒に過ごせて相性のいいパートナーを見つけること。
一緒に仕事ができて、自分のスキル及び働き方との相性がよく、できれば自分を補完してくれるビジネスパートナーと出会うこと。
具体的にはこうした事が必要になる。
繰り返すが、重要なのは「好きなことを仕事に」が「必要になった」と述べられている点だ。
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