「人の力」を信じるトップは、高い賃金を払うための経営努力を怠りません。ある社長さんはあちこち奔走して新しい仕事を見つけ、ある社長さんは人工知能(AI)に投資して体力が落ちたシニア社員のサポート手段として活用し、ある社長さんはパートの女性たちに裁量権を徹底して持たせることで生産性を向上させていました。
働く人たちの「力」と社長さんの「力」が、いい化学反応を起こし、企業もそこで働く人も豊かになっているのです。
松下電器産業(現パナソニック)を創業した松下幸之助さんは「賃金の適正化」という言葉をよく使っていました。「給与が適切であるか否かは、会社にも従業員にも、その安定と繁栄にかかわる重大な問題」だと。
どうか企業のトップの皆さんには、トップ自ら絶えざる創意と工夫を加えて、賃金の適正化を図ってほしい。働いているのは「人」である、という当たり前に気付いてほしいです。
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)
2017年発売の『他人をバカにしたがる男たち』で解説した「ジジイの壁」の背景となる「会社員という病」に迫ります。
“ジジイ”の必殺技は「足を引っぱる」こと。公の場で「彼女の発言を補足しますと……」と口を挟んでしまう“面目つぶし”、「私は指示したのですが○○が動かなくて……」と相手を悪者にする“責任逃れ落とし”、他人に関する必要のない情報を上司に伝える“アピつぶし”、そして“学歴落とし”や“悪評流し”――。
不毛な言動に精を出して「ジジイ化」してしまう人たちのジレンマと不安の正体について解説します。
「1カ月の夏休み」は夢? 日本人の“有給の取り方”がズレている、歴史的背景
「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”
吉本、かんぽの炎上会見に見る「組織の病巣」 なぜ“上下断絶”が生まれるか
なぜ日本人は「労働の奴隷」に? 新時代の働き方のヒント
働き方改革で残業が減らない理由 ちっとも進まない「経営者改革」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング