世界中にインターネットや関連するデバイスなどがあふれ、市民生活やビジネスでデジタル化が進む中、セキュリティの重要性はますます高まっている。
ユーザーIDとパスワードだけで事足りていた時代から、最近では、二段階認証などの技術が次々と導入されている。ただユーザーにとってはやはり手間になる。サービスを提供する側の企業も、利用者がストレスを感じているのは分かっているようで、今ではもっと手軽な指紋認証などの生体認証も導入されるようになった。スマートフォンなどで、そうした認証方法はすでに広く使われるようになっている。
そして今、ある技術があらためて注目されている。声紋認証だ。
世界を見渡すと、最近、すでに導入している企業などが、ビジネス面でいかに声紋認証が有効的でコスト・エフェクティブなのかをあらためて証明し始めている。そんな声紋認証の分野はいま、どんな進歩を遂げているのか。そして今後、その技術がどんなポテンシャルを持っているのか、世界の事例から探ってみたい。
声による認証は、すでに一般のプロダクトでも使われている。例えば「Google Home」の「Voice Match」などでは、利用者の声を6人まで登録できる。また、アマゾンの「Alexa」もボイスプロフィールを登録できるようになっている。認証に声を使おうという動きは進んでいることがうかがえる。
企業にとっても声紋認証は費用対効果が高い。特に、問い合わせなどの際に電話で利用者の確認をする機会が多い金融機関を中心に、声紋認証が注目されている。というのも、例えば、米企業のコールセンターへの詐欺電話は、ここ4年で350%も増えているという。米国では、5000件のコールセンターへの問い合わせのうち、少なくとも1件が詐欺目的の偽の問い合わせで、パスワードなどを不正に聞き出そうとする電話だという。
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