世界的に菜食主義者(ヴィーガン)への注目が集まってきている。そんな中、崎陽軒も8月23日から、同社初となるヴィーガン向けの弁当を販売中だ。
その名も「野菜で作ったお弁当」(税込1200円)。名前こそシンプルだが、さまざまな工夫が凝らされている。
メニューに肉類を使用しないこととともに、野菜にも配慮。ヴィーガンが避ける、香りの強い「五葷(ごくん)」と呼ばれる野菜(にんにく、にら、ねぎなど)も使っていない。
同社の代名詞ともいえる「シウマイ」もヴィーガン向けに再現されている。担当者によれば同社のシウマイは、「豚肉と貝類から出るうまみがおいしさの秘けつ」とのこと。この「うまみ」を野菜から引き出すのに特に苦労したという。
また、肉の代替品として、大豆を使った「ソイミート」を使用。肉の触感に近いソイミートの選定や、大豆独特の風味を軽減する処理など、「目に見えない部分にも工夫した」という。その苦労もあり、おかずの1つである「ソイミートの甘酢和え」は「言われなければ酢豚と間違えるかもしれません」と言えるほどの自信作になった。
そもそも、なぜ同社はヴィーガン向けの弁当を開発しようと思ったのか。担当者によると、インバウンド向けの取り組みとして企画したという。
崎陽軒が本社を構える横浜市は中華街や洋館などがあり「異国情緒」あふれる街として人気だ。しかし、欧米諸国から来た外国人からすると「見慣れた景色」でもある。そこで、「ただ待っていても海外の方に崎陽軒のことやシウマイを知ってもらう機会がない」ことから、今回の商品を企画した。また、「日本の駅弁文化を海外の方にもっと知ってもらいたかった」という点も挙げた。
なお、野菜で作ったお弁当は、現在最低3個からの受注販売としている。受注販売とした理由について担当者は、「どの程度の反響があるか分からない中で食品ロスが多く出ないようにした」としている。発売以降、お客からは多くの反響があり、特に「五葷を使用していない点が受けている」とのこと。注文も多く入っているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング