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派遣社員として働く理由、最多は「正社員として就職できなかったから」 一方で正社員希望はおよそ3割マイナビ調査

» 2019年09月24日 11時13分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 マイナビ(東京都千代田区)は9月19日、「派遣社員の意識・就労実態調査」を発表した。派遣社員として、オフィスワーク・事務、販売、製造などの職種で働く男女20〜59歳1431人を対象として行ったもの。調査期間は6月21日〜24日。

 調査によると、「派遣社員を選んだ理由」で最も多かった回答は「正社員として就職できなかったから」で20.9%だった。回答を男女別に見ると、男性は31.8%で、同設問の中で最多の回答となった。一方、女性は14.1%だった。

 女性が同設問に対して最も多く回答したのは「働く日数・時間を自分で選べるから」で17.1%だった。「働く期間を自分で選べるから」という回答についても、男性が2.6%に対し女性は5.1%。男性を2倍近く上回っており、女性は「仕事の柔軟性」を重視している傾向がある。

女性は「柔軟性」を重視?(出典:マイナビ調査)

 「賃金が高いから」と答えた人を男女別で見ると、男性が4.0%に対し女性が12.7%だった。実際に、派遣労働者は性別による収入格差が小さい傾向にある。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2017年における一般労働者の平均賃金は、男性が335.5千円で女性は246.1千円。男性を100%とすると女性は73.4%となる。一方、同省発表の「平成29年派遣労働者実態調査の概況」では、時給換算額で男性が1435円、女性が1294円。男性を100%とすると女性は90.2%となる。

 「今後どの雇用形態で働きたいか」という設問でも性差が出た。「正社員」と回答したのは全体のうち31.4%。男性が38.4%に対し女性は27.0%だった。また、登録型、常用型を問わず「派遣社員」と回答したのは男性が30.9%で女性は40.8%。同設問に対し、「正社員」という回答が最も多かった職種は「機械・電気・IT技術・通信系」で40.6%だった。

機械系の多くが「正社員」希望(出典:マイナビ調査)

 今後正社員として働きたいと答えた人に「正社員として働きたい理由」を聞いたところ、「雇用が安定しているから」「賞与が欲しいから」が同率首位で73.7%。多くの派遣労働者が、「やりがい」や「キャリアアップ」よりも雇用や収入の安定性を望んでいることが分かった。

多くが雇用の安定を望む結果に(出典:マイナビ調査)

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